研究課題/領域番号 |
23K01821
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
松本 すみ子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (20316673)
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研究分担者 |
岡田 隆志 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (40874326)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | メンタルヘルス福祉教育 / パブリックスティグマの低減 / 地域共生社会の実現 / 効果的な介入方法の開発・普及 |
研究実績の概要 |
精神障害者の社会参加の大きな阻害要因となっているパブリックスティグマを低減し地域共生社会を実現するための効果的な介入方法を開発・普及することを目的とした本研究の遂行にあたり、2023年度は、メンタルヘルスに焦点化した福祉教育(以下、メンタルヘルス福祉教育)を、福井県内の県立高校において高校生を対象に実施した。 内容には、講義、ワークショップ、精神障害者による「語り」、グループディスカッションなど多様な形態を組み合わせた。受講した高校生を対象にアンケート調査を実施し、その結果を分析し考察を加えた。 とりわけ2023年度は、このメンタルヘルス福祉教育の実践の中から精神障害者による「語り」に焦点をあて、研究を進めた。本授業では、2名の精神障害者(疾患名は、統合失調症と摂食障害)による疾患経験や、その経験から得た気づき・学びを高校生に直接語ってもらった。そして、それぞれの「語り」から、受講した高校生にどのような意識変容、態度変容が生じたのかを、アンケートにより調査した。 その結果は、①日本福祉教育・ボランティア学習学会新潟大会(2023.11.5)において学会発表し、フロアの参加者と有意義なディスカッションが展開できた。②日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要Vol.43の特集に、研究論文として掲載を予定しており、現在、執筆中である。③日本福祉教育・ボランティア学会の30周年記念として出版される研究書の「第1章 メンタルヘルスと福祉教育」に掲載予定であり、現在、執筆中である。尚、メンタルヘルス福祉教育のプログラム案と効果に関して、④日本福祉教育・ボランティア学習学会の専門雑誌「ふくしと教育」へ論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、直接的接触体験のモデル実施と効果および限界点の実証的検証は、2024年度の実施を予定していた。そのために、メンタルヘルス福祉教育を実施する学校の選定を急いでいたが、2023年8月に授業の実施を受け入れてくれた高等学校があったため、モデル実施と受講者の高校生を対象としたアンケート調査を1年前倒しの2023年度中に実施することができた。 その結果をもとに、効果的なメンタルヘルス福祉教育の実施方法の案が開発できた。それを基盤として、埼玉県内の公立中学校(2023年9月実施)および都内の公立中学校(2024年1月実施)でも、メンタルヘルス福祉教育の授業を実施し、さらなる知見を蓄積することができた。 福井県内の県立高校、埼玉県内の公立中学校、都内の公立中学校での3つのメンタルヘルス福祉教育の実践は、福井県の研究会と研究代表者が所属する都内の研究会との合同研究会(2024年8月に開催予定)においてさらにブラッシュアップして、福井県内の公立中学校での授業実施に備えることを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
①福井県内の県立高校、埼玉県内の公立中学校、都内の公立中学校での3つのメンタルヘルス福祉教育実践を、福井県の研究会と研究代表者が所属する都内の研究会との合同研究会(2024年8月に開催予定)においてブラッシュアップさせ、福井県内の公立中学校で授業を実施する(2024年12月実施予定)。②精神障害者による「語り」をめぐる福祉教育の可能性の検証と、研究論文の学術誌への掲載する。③メンタルヘルスリテラシーとメンタルヘルス福祉教育の理論整理を行い、学術学会において口頭発表する(3本の発表を予定)。④新たな福祉教育実践として、レゴ・シリアス・プレイを活用した精神障害者-非精神障害者との直接的接触体験の効果を検証する。 上記①から④を踏まえ、最終年となる2025年に、メンタルヘルス福祉の理論と実践に関する書籍を出版予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費、謝金が減少したため。
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