研究課題/領域番号 |
23K01849
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
狩野 俊介 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (40838695)
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研究分担者 |
野村 照幸 独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 心理療法士 (70859462)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | クライシス・プラン / 精神障害 / 非自発的入院 / エンパワメント / リカバリー / 権利擁護 / 事前の共同意思決定 |
研究実績の概要 |
2023年度は,本研究課題の主たる調査であるクライシス・プランを用いた非自発的入院を防止することの有効性について効果を検証するための介入調査に向けて,クライシス・プランに関連するADM(Advance Decision Making)の先行研究について,国内外にわたって渉猟し文献レビューを行った。 その結果から,介入調査の際に,効果的にクライシス・プランを用いる際の複数の要素を導出することができた。また,現在はクライシス・プランを実施する際の複数の実施者間における忠実度の指標となる項目を検討するため,クライシス・プランを用いる際の実践内容とと実際に得られた有効性との関連を調査するために,準備を整えている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
クライシス・プランの効果を検証するための介入研究を実施する上で,複数の臨床家・臨床現場との協力が必要であり,適切なクライシス・プランの用い方を広く普及啓発することに努める必要があり,そのために時間を要した。また,本研究課題の基盤となり,大きく関連する他のクライシス・プランの研究を優先して実施したことから,進展させることが困難な状況であった。 今後予定している量的調査の実施とともに研究協力者を募り,本研究課題の主たる調査として介入研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,効果的にクライシス・プランを用いるための実践内容の忠実度の指標となる項目を明らかにするために,すみやかに量的調査を実施する。なお,すでに調査票の作成等を行えており,その他の必要な手続き等が整い次第,実施する予定である。 加えて,この量的調査と同時に,もしくは調査実施後に介入研究に協力が得られる臨床家・臨床機関を募る予定である。そして,共通認識のもとに調査研究を進めることができるよう研究チームを構成し,研究計画を打ち合わせていく予定である。 2025年の初頭には,介入研究を開始できるよう準備をしていきたい。その上で,介入調査期間を1年程度設け,クライシス・プランによる非自発的入院を防止できる効果について検証していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画よりも進度が遅く,資料調査等までしか行うことができず,調査費用として算出していた研究費を使用する機会が生じなかったためである。 今後は,実際に調査費用として支出する予定もあり,研究協力者等との通信用機器の物品購入も予定している。また,実際に研究協力者としての臨床家・臨床機関に訪問することも検討しており,そうした旅費としても使用する予定である。
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