研究課題/領域番号 |
23K01933
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
木村 夏実 福島県立医科大学, 保健科学部, 助教 (30910153)
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研究分担者 |
川又 寛徳 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (00511106)
小林 法一 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 集団活動 / コミュニケーション / 認知症ケア |
研究実績の概要 |
認知症は本人だけでなく,家族やケアに関わる人への影響も大きいことから,認知症者だけでなく,家族やケアに関わる人も含めた支援の必要性が高いと言える.しかし,認知症には特有の行動・心理症状(BPSD)がある.BPSDは適切なケアによって低減できることが知られているか,対応の仕方や接し方が分からない,意思が確認できないなどコミュニケーションを必要とする場面での苦慮が挙げられている.我々は,認知症者本人から直接,生活歴や意思・興味を引き出すコミュニケーションツールである色カルタを活用することにより,参加者の人生や思いを理解し,対応に工夫が生まれ,介護負担の軽減が図れるのではないかと考え,“入院高齢者向け”の「BPSDおよび介護負担低減に向けたコミュニケーションツール実践マニュアルの開発」を進めてきた.本研究では,これまでの成果を発展させ“地域高齢者向け”の実践マニュアルの開発と効果検証を実施することである. 初年度は,実践マニュアル(暫定版)の作成を進めるためにこれまでに撮りためた色カルタを活用した実践場面の様子の動画を分析した.色カルタの回数を重ねるごとに参加者の発言量は増えていく一方,リーダーの発言量は減ることが確認された.また,開始当初はリーダーを起点とした受動的な交流が展開されやすいが,回数を重ねるにつれ参加者を起点とした能動的な交流へ移行する可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
色カルタの使用経験のある者をメンバーとする検討委員会を実施するにあたり,その資料となる録画動作の分析や実践マニュアル(暫定版)の作成に想像以上の時間を要し,進捗状況が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
検討委員会の開催に向けた資料の作成に目途がついたため,これまで遅延していた分の研究課題を遂行する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実践マニュアル(暫定版)の改訂に向けた検討委員会を設ける予定であったが,研究計画の遅れにより,未使用分の費用が生じた.遅延していた研究計画は次年度以降に実施し,未使用分の費用はこれに当てる予定である.
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