研究課題/領域番号 |
23K01996
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
前田 晃宏 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 講師 (30735014)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 木の実類 / 経皮感作 |
研究実績の概要 |
クルミを含む木の実類に対する食物アレルギーの急増に伴い,食品表示基準の一部改正 (令和5年3月9日)により,クルミが特定原材料に追加された。この木の実類アレルギー急増の要因として,消費量増加に伴う環境曝露量の増大とそれに伴う経皮感作リスクの上昇が考えられている。しかし,この仮説を立証するためのエビデンスは十分ではない。 そこで本研究では,新規木の実類アレルギー発症と家庭内アレルゲン量の横断研究とクルミの環境曝露し易さ (易曝露性) に関する研究を開始した。 横断研究では,複数の医療機関と共同で,新規木の実類アレルギー児のリクルートと家庭内アレルゲン量の回収を開始した。家庭内アレルゲン量は,掃除機内のゴミを回収し,髪の毛などを取り除いたファインダストを試料とした。現在は,患児のリクルート並びにゴミの回収を行っている。 易曝露性に関する研究では,ピーナッツとクルミを試料とし,エアロゾル中への放出と摂取行動による机上や衣服への落下を観察と測定を行った。その結果,両試料ともエアロゾル中への放出量は確認できなかった。摂取行動時の落下量は,ピーナッツとクルミの共に認められたが,その量はクルミの方が明らかに多かった。以上の結果より,クルミは,易曝露性が高く,家庭内に残存しやすい食品であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療機関での研究を開始することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
医療機関と共同での木の実類アレルギー児のリクルート並びに家庭内ゴミの回収を進める。回収した家庭内ゴミについては,ELISAキットを用いてアレルゲン量を定量する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ゴミ中のアレルゲン分析は,ある程度の数が集まったらまとめて実施する予定である。そのため,今年度に回収したゴミは,次年度回収分とまとめて分析するため,分析にかかる費用を次年度に持ち越した。
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