研究課題/領域番号 |
23K02047
|
研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
山本 健太 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (50709582)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ストレス / カンキツ / 香気成分 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、飲食物を口に含んでいるとき、または嚥下した後に感じる香りであるレトロネーザルアロマ(口中香)に注目し、カンキツ果実飲料とその香気成分を減圧により除去した飲料についてヒトに対するストレス緩和効果の検証を行い、香気成分および非揮発性成分による効果を区別することで、ストレス緩和効果を有する成分を特定することである。当該年度では、温州ミカン果汁とそれと同じ糖酸比に調製した水を利用して、ストレス緩和の効果が、糖および酸以外によるものなのかを評価した。 被験者は、女子大学生15名とし試験を実施した。試料は、市販の温州ミカン果汁(同一ロット品;果汁)、果汁の測定値に合わせて糖酸比を調製した水(調製水)、対照として水(精製水)を用いた。ストレス指標は、客観的指標として脳波など、主観的指標として自記式のvisual analogue scale(VAS, 測定項目:集中力、疲れ、リラックスおよび気分)を測定した。試験は、座位安静5分間(安静期)後、試料を飲用し(飲用期)、精神的ストレス負荷として内田クレペリン検査を15分間実施(ストレス負荷期)し、その後5分間座位安静(回復期)とした。 その結果、脳波において回復期のα1波では、果汁群が調製水群と比較して高い傾向を示し、リラックス傾向があると考えられた。飲用期のVASの気分の項目では、果汁群が対照群および調製水群と比較して有意に高く、果汁飲用時に主観的に気分が良くなることが示された。主観的指標および生理学的指標の一部の項目で、果汁群においてリラックス傾向が認められたのは、糖と酸以外の香気成分およびその他の成分によるものと考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の実施は、ガスクロマトグラムのメンテナンス等で、令和5年度実施分の代わりに令和7年度実施分を先に進める形になったが、おおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
当該年度は、令和5年度実施分の(1)香気成分を除去した飲料の調製および調製条件の最適化、(2)香気成分除去飲料および非処理区の飲用によるストレス緩和実験を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
出張費として計上していた予算を使用する必要がなかった。また、令和5年度実施分の代わりに令和7年度分を先に実施したため、使用金額に変更があった。当該年度と翌年度を使用して、令和5年度分を実施する予定である。
|