研究課題/領域番号 |
23K02060
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70634484)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | 教育学 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
2023年度は日本・ドイツ・フランスの教育学ならびに教師教育に関わる資料を収集し、主には日本とドイツに関するものを中心に分析を進めている。一例として戦後ドイツの教育学の様子を挙げると、教育学は教育大学を中心に勤務した担当者たちによって担われてきていたが、1960年年代以降の大学教育の急拡大を経る中、教育学の主専攻課程の設置を契機として、教育学はその担い手を教員養成とは直接関わらない部署に置いても確保するようになっていった。もっとも、そこでは依然として教育実践との接続が意識されていたようである。 また、2023年6月と11-12月にはドイツのゲッティンゲン大学およびテュービンゲン大学を訪問し、教員養成への教育学者の参加状況について最新の状況を聴き取った。とりわけテュービンゲン大学(をはじめとするいくつかの大学)にはSchool of Educationという名称の機関が設けられ、各学部の間の調整や教科教育学担当教授職の設置が進められるなど、全学的な教員養成の実質化に向けた取り組みが行われている。こうした動きは、教育学が定期的に教師教育との関係性を再確認し、その関係を強めることで、教育学の存在意義の実証に取り組んでいる動きの一環として捉えることができるだろう。 なお、そうしたコンテクストの下、2024年1月ならびに同3月にはオンラインの国際シンポジウムやワークショップを開催し、テュービンゲン大学School of Educationの事例やドイツにおける教育学の近年の研究手法・研究対象の変化に関する最新情報をドイツ人教育学者から報告してもらうとともに、日本側の動きもドイツ人教育学者に向けて発信した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は当初計画していた以上に研究が進んでおり、助成金の前倒し支払いも受けたことから、研究を予定よりも早期に進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は予定通り、資料の分析を進めるほか、再度、ヨーロッパを訪問し、教育学者からの聴き取り作業も進めたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定よりも順調に進んだため、前倒し請求を行った。その際、想定外の出費が生じる事態に備え、前倒し請求額を約10万円多めに設定していたため、次年度使用額が生じている。しかし、これらはもともと2024年度の執行予定額であったため、研究遂行にあたっては当初予定通り使用する予定である。
|