研究課題/領域番号 |
23K02086
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
牧瀬 翔麻 広島修道大学, 人文学部, 助教 (10824146)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 冗長性 / 地方教育行政 / 連携・補完 |
研究実績の概要 |
研究初年度(2023年度)は、国内外において行政の冗長性(redundancy)が学術上及び実務上どのように理解され、評価されているか、また、地方教育行政における冗長性の意義はいかなるものかを明らかにすることを研究課題として設定した。そのために、冗長性に関連する国内外の研究論文・図書等の資料を幅広く蒐集した。研究初年度の現段階で明らかになったこととして、以下の2点が挙げられる。 1)冗長性の概念自体が、自然科学及び情報工学の諸分野から提起されたものであり、社会科学領域には“馴染みがない”ため、既存研究が限定的であり、かつ蒐集に限界がある。ただし、この“馴染みがない”ことには吟味が必要と感じている。すなわち、研究上の援用が難しいのか、あるいは概念自体が発見、認知されていないのかなど不明瞭な部分が多い。このあたりの見極めが次年度以降の課題である。また、海外の行政学研究における冗長性概念についてはレビューがいまだ十分に行えていない。したがって、次年度以降も継続して資料の蒐集及び検討を進める計画である。 2)冗長性の概念が多義的であり、研究の領域や研究者の属性によって用いられ方が非常に多様であることが明らかとなった。そのため、日本の地方教育行政研究への援用には留保が必要である。これについては、今後の研究の方向性にもつながるため、次年度以降に継続して概念の整理及び援用するうえでの留意点を精査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究代表者の職場の異動があり研究環境を改めて整えるのに時間がかかった。ただし、次年度以降に繋がる資料の蒐集及び鍵概念となる「冗長性」の先行研究のレビューは、研究計画初年度として達成することができた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。ただし、研究実績の概要に記載の通りの課題もあるため、次年度以降に着実に研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、冗長性概念の地方教育行政への援用可能性の検討を引き続き進める。ただし、先行研究が限定的であり、また多義的な概念であるため、今後も継続して幅広く資料を蒐集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
職場の異動に伴う研究環境の整備のため、研究に着手するのに時間がかかった。その結果、購入予定であったパソコン一式の購入が次年度にずれ込んだ。研究の進捗はおおむね順調であり、次年度以降に計画的に執行する予定である。
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