研究課題/領域番号 |
23K02132
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
末長 英里子 京都大学, 経営管理研究部, 特定助教 (80912310)
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研究分担者 |
蓮 行 京都大学, 経営管理研究部, 特定准教授 (10591555)
紙本 明子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 特任研究員 (20973572)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 演劇教育 / 熟達化 / ワークショップ / ファシリテーション / 質的研究 |
研究実績の概要 |
本研究では、演劇ワークショップの実践者(ファシリテーター)の熟達化支援に向けて、実践者の実践知を構造的に明らかにすることを目的としている。また、手続き的知識とともに、それら手続きがいつ・どのような場面で用いられるかという判断基準の暗黙知を同時に明らかにすることを目指している。 当初計画では、2023年度中は「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」の完了と、「研究2:熟達者・初心者の授業実践の質的調査による実践知の解明」のデータ収集を目指していた。 2023年度(初年度)は、演劇ワークショップ実践者(熟達者・初心者)による授業実践の参与観察と、熟達者・初心者を対象としたヒアリング調査を行なった。授業実践において観察可能な初心者・熟達者の技術の違いについて検討することと、初心者・熟達者それぞれが実践において認識している困難さと対応の違いについて検討することを目的とした。 現在、ヒアリング結果の質的分析を進めており、【授業実践におけるファシリテーターとしての方略と態度】、【ファシリテーターとして現場で認識している困難さ】、【コーディネーター(学校教員らとの調整役)として認識している困難さ学校教育】のカテゴリーに整理している。熟達者ほど、児童生徒の反応などコントロール不可能な点について「ゆだねざるを得ない」と語るなど、不確定性志向の高さが示唆された。また、困難さに関する語りとして、「学校の先生の教育観」と「ファシリテーターとして目指したい授業」とのズレを認識し、その調整について葛藤を感じている様子が特徴的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では、2023年度中に「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」まで完了する予定であったが、ヒアリング調査からは先行研究と異なる困難さの様相が示唆されたため、2023年度中のアンケート調査の完了は見送った。現在、質問紙設計の検討を進めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した授業実践における困難さ認識のヒアリング調査の結果をもとに、「研究1:熟達者・初心者への量的調査による、困難さ認識の全体的傾向の把握」のための質問紙設計を行う。質問紙調査自体は2024年年度を完了したいと考えている。並行して、「研究2:熟達者・初心者の授業実践の質的調査による実践知の解明(2023~24年)」に関して、授業の参与観察と授業実施前後のヒアリング調査を進める。取得した質的データの分析を加速するために、コーディングの指針を策定するなどして、アルバイト調査員に作業を分担できるようにする必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒアリング調査の文字起こしを外注する計画としていたが、AI文字起こしアプリケーションを利用することとしたため、文字起こしの外注費が不要になったため。
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