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2023 年度 実施状況報告書

コロナ禍における「ママ友」のソーシャルサポートと精神的健康―就業形態からの分析―

研究課題

研究課題/領域番号 23K02250
研究機関名古屋女子大学短期大学部

研究代表者

大嶽 さと子  名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10611436)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードママ友関係 / コロナ禍 / 子育て支援 / KH Coder / 新聞記事分析
研究実績の概要

2023年は、翌年のWeb調査実施に向けて、まずは「ママ友」関係やソーシャルサポート、子育て支援に関する研究について、国内の文献レビューを行った。また、第35回日本発達心理学会に参加し、子育て支援に関する情報収集を行った。コロナ禍をとおして、家庭のサポートの重要性がより明確なものとなり、子どものwell-beingを捉える際に、養育者を含めた家庭全体のサポートが不可欠であることが明らかになった。それとともに、新型コロナウイルスに関する心理学的研究が数多く発表されたため、国内論文を中心に研究手法なども確認した。
また、新型コロナウイルスが感染拡大した2022年1月以降の「ママ友」に関する新聞記事を収集し、KH Coderによる計量テキスト分析を行うことによりコロナ禍で母親同士がどのように関わり合っていたのかについて、共起ネットワークを用いて可視化した。分析から、コロナ禍の中でも特に全国的に小中高等学校で一斉休校が実施された2020年4月から6月あたりは、ママ友関係に関する記事が多く、未知の事態に遭遇したことによる戸惑いと、子どもが一日中家にいることによってストレスがたまる状態であったことから、地域やママ友同士が連携を図り、助け合っていたと考えられた。しかしながら新聞記事がそのまま子育て期の母親の状態を示しているとは必ずしも言い切れない可能性があることと、コロナ禍前後の状況とどのように異なるのかという点が明らかにできなかったため、今後は、引き続き新聞記事を分析するとともに、Webを利用した大規模な量的データの収集が必要であると考えられた。新聞記事の分析を行った結果は、2024年6月に東京で開催される第25回子ども家庭福祉学会にて「コロナ禍におけるママ友関係―KHCoderによる新聞記事の分析から―」というタイトルで口頭発表を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請時点の予定では、2023年はWeb調査実施に向けての準備の年としていた。主に予定していたものは、国内外の論文をレビューすることと、KH Coderによる新聞記事の分析であった。これらはおおむね実施できたため、経過は順調であると思われる。しかしながら、新聞記事から「コロナ禍のストレスイベント」尺度の作成を予定していたものの、実際の記事内容からそういったものが作成しづらいと考え、今回は見送った。また、Web調査に向けて調査会社と交渉を進める予定であったが、まだ進めることが出来ていない。そのため、「やや遅れている」という判断に至った。

今後の研究の推進方策

2024年度は、Web調査を予定しているため、まずは早急に調査会社と交渉を始める。調査は10月に開始できるよう、調査会社の職員と具体的な日程を打ち合わせる。調査内容は、年齢や就業の有無やその状況などの個人属性の他に、「ママ友」関係、コロナ禍におけるストレス、「ママ友」からのソーシャルサポート(道具的側面・情緒的側面の2側面を予定)を測定する予定である。精神的健康については育児ストレスインデックスショートフォーム(Parenting Stress Index - Short Form; PSI-SF)を使用する予定だが、尺度作成者に許可を得る必要があるため、依頼を行う。また、数量データを補完するものとして、コロナ禍における育児について自由記述を求める。測定項目のうち、ストレス尺度については、2023年度に独自に作成することができなかったため、既存の尺度の中から本研究に見合ったものを探すとともに、6月の第25回子ども家庭福祉学会での口頭発表時に、セッションに参加している他の研究者の方々から具体的なアドバイスを求め、8月には全項目を確定する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度当初は、データ入力と学会発表のためにDell製のノートバソコンを計上していたが、最新のものを購入するため2024年度に持ち越した。学会は神戸で開催された9月の第87回日本心理学会にも参加を予定していたが、学内業務のために参加できず、使用しなかった。新聞記事のデータ整理にアルバイトを雇用する予定だったが、すべて自分自身で行ったため、必要がなくなった。2024年度は、2023年度から持ち越した分についてはノートパソコンの購入と、Web調査を充実させるために使用する。当初2024年度分として計上していた経費はほぼ計画どおり使用する予定で、主に第25回子ども家庭福祉学会で発表をする際の参加費や旅費と、Web調査の費用として使用する。また、情報収集のために熊本で実施される第88回日本心理学会に参加する。Web調査後には、収集したデータを他の業務や研究データと切り離すため、外付けのHDDも購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] コロナ禍におけるママ友関係―KH Coderによる新聞記事の分析から―2024

    • 著者名/発表者名
      大嶽さと子
    • 学会等名
      日本子ども家庭福祉学会第25回全国大会

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公開日: 2024-12-25  

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