研究課題/領域番号 |
23K02278
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
中内 麻美 相模女子大学, 学芸学部, 講師 (00805385)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | インクルーシブ保育 / 自然的発達行動介入 / 可視化 |
研究実績の概要 |
本研究は、応用行動分析と発達科学を基盤とする自然的発達行動介入(NDBI)の知見を応用して保育環境や保育者の対応を整理・分析し可視化することが、すべての子どもの主体的な活動参加と保育者間の実践知の共有化すなわちインクルーシブ保育の実践につながるかを検証することを目的としている。 本研究の目的を達成するための課題は、1)インクルーシブ保育の実践とNDBIの構成要素の整理、2)NDBIの知見を保育実践に応用した保育実践の分析、3)NDBIに基づく保育実践の可視化による保育者及び子どもの行動変容、4)NDBIに基づく保育実践の可視化による保育者間の実践知の共有と実現に必要な条件の検証である。 令和5年度は、1)NDBIの構成要素とインクルーシブ保育の整理として、(1)NDBIに関わる先行論文の概観、(2)インクルーシブ保育の実践知の共有に関わる事前調査を実施した。 (1)NDBIに関わる先行研究の概観では、海外論文及び書籍よりNDBIに共通する中核的な構成要素について整理し、保育現場で適用可能かについて検討を続けている。 (2)インクルーシブ保育の実践知の共有に関わる事前調査については、保育所に勤務する保育者を対象に質問紙調査及びインタビュー調査を実施した。調査結果より、日々の子どもの実態や一人一人のニーズに基づく柔軟な保育を展開するためには、保育者間の相互理解と情報共有の機会および保育のめあてに対する保育者の捉え方が影響していると考えられた。次年度は、(1)(2)の結果を踏まえて調査項目を作成し、インクルーシブ保育の実践に必要となる構成要素について質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事前調査としての保育所保育士への質問紙及びインタビュー調査の実施に関わる許可及びスケジュールの確保に時間を要したため、当初計画していた質問紙の作成及び実施に至らなかった。したがって、「やや遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、インクルーシブ保育の実践とNDBIの構成要素に関する質問紙調査の項目作成と実施を行う予定である。また、協力園の状況に合わせて、NDBIの知見を保育実践に応用した保育実践の分析を進めていく。 令和5年度の研究成果について、学会発表等を通じて広く協議を行い、学術雑誌に論文公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は、事前調査の遅れにより質問紙調査が未実施となった。また、バイアウト経費を計上していたが、所属先が変更となったことに伴い、使用しなかった。 これらの研究費は、令和6年度において質問紙調査の実施に伴う費用、保育所等への研究出張費、研究協力者の謝金として使用する予定である。
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