研究課題/領域番号 |
23K02295
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
野崎 祐子 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (60452611)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | time with child / mediation analysis / childcare stress |
研究実績の概要 |
本年度は、時間貧困と子どもの発達との関連について、文部科学省・厚生労働省『21世紀出生児縦断調査(平成13年生まれ、平成22年生まれ)』をもとに分析し、労働および教育施策が今後取るべき方向性について提言を行った。まず、時間貧困の指標として、親の非典型的な働き方(長時間労働、夜間・早朝就労などの非典型時間帯就労、シフト制勤務)子供と過ごす時間・家事労働時間(休日と平日)子供の生活習慣(睡眠時間)との関連を検証したところ、母親の非典型時間帯就労やシフト制勤務は自身の睡眠時間や子どもと過ごす時間に有意に負の影響が認められたのに対し、父親の長時間労働については平日の子どもと過ごす時間を減少させるものの、休日はそれを補完する以上に育児時間を増加させていることや、父親自身の睡眠時間には影響を及ぼしていないことが明らかになった。これらの結果をもとに親の働き方が ①時間貧困および ②育児ストレスを媒介として子どもの問題行動(SDQ: Strength and Difficulties Questionnaire)に基づいて独自に作成)に及ぼす影響について、causal mediation analysis により分析したところ、どちらのモデルも母親についてのみ統計的に有意 (full mediation)であった。ここでの結果は、親の時間貧困が及ぼす子どものアウトカムへの影響にはジェンダー差があることを確認するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、本人及び家族の基本的な属性だけではなく親の就業状況や育児時間、生育環境など本研究での検証に必要なデータを網羅した21世紀出生児縦断調査をもとに、複数の統計モデルによる試験的な推計を試み、最終的にcausal mediation analysis を採用した。推計結果は国際学会で報告後、さらに修正を重ねている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は前年度の学会で報告した内容(proceedings) を論文としてまとめ、書籍(英文)の一章(分担執筆)として掲載する予定である。また、生活時間についてより詳細な推計を行うため、現在手元にあるデータに加えtime-use-surveyによる推計も計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に執筆した論文の出版及び学会報告が2024年度に予定されているため、それらに係る英語論文校正費用、オープンアクセス費用や海外渡航費も次年度に繰り越した。
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