研究課題/領域番号 |
23K02296
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研究機関 | 桜花学園大学 |
研究代表者 |
小柳津 和博 桜花学園大学, 保育学部, 准教授 (60803707)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | インクルーシブ保育 / 重症心身障害児 / 関わり合い / 専門性 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究実績としては、研究データの収集が中心となった。研究協力園において肢体不自由児を含む集団の保育について、年間を通じた観察を行った。また、別の協力園においてインクルーシブ保育の専門性に関するアンケート調査を実施した。収集したデータを基に、2024年度以降に論文および学会発表を行う予定である。 2020年度から進めてきた研究(科研費番号20K02640)から継続して検討を進めていることで、本研究の中核となるインクルーシブ保育における保育者の専門性が明らかになりつつある。インクルーシブ保育における保育者の専門性として可視化されつつある創造力について、場面想定法を用いたアンケート調査を行った。その結果、子どもの運動発達・姿勢に着眼する保育者の姿があることが見出され、重症心身障害児を含む集団特有の専門性があることが示唆された。また、異なる機能を持つ3種類の保育施設を対象にアンケート調査を行い、計量的分析手法を用いて検討した結果、子どもを主語において保育を創造すること、運動発達として姿勢に着目することなどの特徴を見出すことができた。 これらの成果から、現在、インクルーシブ保育自己評価項目の構築、そこから精度を高めた自己評価表の作成、および自己評価表の活用方法の検討へと進めているところである。重症心身障害児を含む集団におけるインクルーシブ保育の保育者の専門性について50項目の自己評価項目は構築できた。次のステップとなる自己評価表の作成に向けては、大規模調査の結果を基に自己評価項目から精度を高めた項目内容の抽出をしている。今後は、自己評価表を用いて保育を実践した保育者の自己評価の変化等を分析するために調査を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は研究データ収集が中心となり、研究成果としてまとめるところまで至っていないのが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に収集したデータを基に論文および学会での成果の発表を予定している。一部を2024年5月の日本保育学会にて発表を行う。また、2024年度においても研究協力を依頼している園において、データ収集のための観察および保育者へのインタビューを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はデータ収集が中心となったため、当該年度の実支出額が少額で収まった。2024年度からは論文発表、学会発表、および海外での調査研究を進めていく予定である。2024年度は旅費を中心として支出する計画である。
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