研究課題/領域番号 |
23K02308
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
原田 妙子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (60525963)
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研究分担者 |
千住 淳 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00557738)
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (20362189)
岩渕 俊樹 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (20711518)
星 詳子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任教授 (50332383)
野瀬 出 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (60337623)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 認知機能 / 発達 / fNIRS / 定型発達 |
研究実績の概要 |
本研究は、より複雑な認知制御に関わる神経回路がいかに形成されるかを解明するため、高次認知制御の発達を評価する複合ルール課題を開発し、ヒト脳における高次の認知制御に関与する神経ネットワークの形成について明らかすることを目的としている。今回対象となる脳領域については、近年の研究から、脳の情報処理が複数の領域同士が機能的に接続されて働く大規模なネットワークによって実現されることが明らかになり、特に、認知制御には、認知制御の開始と調節を担う適応制御ネットワーク(前頭頭頂ネットワーク; frontoparietal network, FPN)が重要であることが示されているため、この領域をターゲット領域とした。対象は、学童期以降、成人期までの定型発達者で、これら対象者をさらに6期に分け、課題遂行中の前頭頭頂領域の脳活動を機能的近赤外分光法(fNIRS)で計測し、認知制御に関与する神経ネットワークの発達に伴う変化を横断的な検討を始めた。また、質問紙による発達特性や心理的な評価、知能評価、およびと環境因子として親の教育歴や経済状況なども評価し、認知機能発達とそれに及ぼす影響について検討する。 これを実行するために、現在までに以下を進めた。1.コントロール課題の追加(複合ルール課題に対するコントロール課題が、この課題を用いた先の論文で指摘されたため、今回の複合ルール課題の中に追加修正した。2.前頭葉および頭頂葉の領域がターゲット領域であり、計測領域に対する脳領域の同定を進め、この領域をfNIRSにて計測するためのホルダ作成を完了した。3.子どもから成人を対象に、行動データの収集を実施し、追加課題の最終調整を実施、さらに、fNIRSにて準備実験を開始した。これら準備を実施し、準備実験を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題における、修正すべき点を前の論文にてレビュアから指摘いただいたため、コントロール課題の追加が必要となり、今回の複合ルール課題の中に新たなコントロール課題を追加修正にかなりな時間を要したため、準備実験に遅れが生じたため、研究開始に時間がかかってしまっているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、現在準備実験が開始されている。この確認作業が終了すれば、本実験が開始できる。被験者は既にある程度確保できているため、計測に注力できれば、本来のスケジュール通り、滞りなくデータが採取できていくと思われる。人的な体制も整っており、大きな問題はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、実験で使用する課題の修正に時間を要してしまい、実験自体を順調に進めることが困難であったため、予定使用金額を適切に使用することができなかった。そのため、今後、本来必要とされる研究のための費用として次年度使用にとした。
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