研究実績の概要 |
本研究、「乳幼児の造形教育における資質・能力の可視化-就学を見通したカリキュラム図の構築-」は、0歳から小学校低学年を対象とした造形について材料、用具、題材、特に資質・能力・等を基にカリキュラム図を作成、提案することで、乳児期の学びを幼児期、児童期につなぎ、造形の学びを途切れさせることなく展開することを目的としている。現状では、0~2歳の乳幼児期における造形教育の研究は少なく、国内外で乳幼児期からの造形的視点を持った幼小接続研究が見当たらない状況がある。そこで、2023年度は、日本保育学会にて、科研費番号 17K04625 丁子かおる「非認知的能力を継続させる育ちと学びの造形教育軸-材料 用具による保幼小中接続-」を発展させて、非認知的能力に焦点を当て保育案276件の分析から、「乳児クラス(0,1,2歳)と幼児クラス(3,4,5歳)の造形における非認知的能力の比較―保育案を分析してー」で、ポスター発表を行った。非認知的能力を抽出して分類、分析し、0歳児クラス、1~2歳児クラス、3~5歳児クラスや年齢ごとの変化などについて明らかにした。低年齢の乳幼児において、環境や素材に自ら関わる「興味」や「好奇心」が多く、また、誠実性として、感覚的に物に関わって繰り返し試し確かめる行為が1歳から3歳までが特に多かった。つまり、低年齢では、子ども自身の好奇心や試し行為を大切にすることで低年齢児なりの意欲や主体性を尊重する傾向があった。そして、幼児になると創造性や創造性に関わる開放性が急増し、年長児になるほど協調性と協同性の項目が増加してた。幼児の造形では想像し、創造していく機会が増やしつつ、造形の遊びを共同で行う・共有する機会を設けて、協同性の育ち促す傾向があった。このような結果から発達に応じたねらいの設定を考えている。
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