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2023 年度 実施状況報告書

倫理的消費を題材とした消費者教育プログラムの提案

研究課題

研究課題/領域番号 23K02342
研究機関福岡教育大学

研究代表者

奥谷 めぐみ  福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20636162)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード倫理的消費 / 消費者教育 / 大学生 / 若年者 / 教材開発
研究実績の概要

令和5年度は、大学生を対象とした倫理的消費に関するプレ調査、関連資料の収集と分析を行った。プレ調査ではA大学の学生53名の回答を得た(2023年10月実施)。調査結果から、何らかの環境配慮に関する行動を実践しているという問いに、9割の学生が肯定的な回答を選択した。しかし、エシカル消費という用語に対して、初めて知った、聞いたことがあるが意味は分からないという学生も同様に8割を超えていた。環境配慮に関する行動と、「エシカル消費」というキーワードが結びついていないことが懸念される。今後、倫理的消費(エシカル消費)という言葉に対する理解度の普及と、持続可能な社会の実現に向けた生活実践の普及とは分けて効果を検証したい。本研究では、特に後者に力点をおきつつ、生活実践が「倫理的」であると判断できる根拠を省察する教材の開発を進めていくこととした。
また、大分県の男女共同参画・消費生活センター発案の企画、「大学生によるエシカル消費セミナー」において大学生の探究活動の補助を担当した。大学生自身が選択した探求テーマ、活動から、倫理的(エシカル)の判断できる根拠を理解するためには、生産者とのつながり、生産の現場で起きている問題等の情報提供が必要であることが明らかになった。さらに、本事業にかかわった行政職員(10名)を対象に調査を実施(2024年1月)し、大学生のエシカルに対する関心の高まりを確認できたこと、また、大学生の活動を通じて関わった周囲の職員も日常生活でのエシカル消費(倫理的消費)に対する意識が高まったことが明らかになった。そこで、教材を通じて学生が実施した探究的活動を外部に発信し、広く市民をまきこむことで、消費者市民社会実現につながる産学官の連携の可能性も提案することができると考えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大学生を対象としたプレ調査及び、行政職員に対するアンケートから、大学生を対象とした倫理的消費を扱った体験的・探求的活動の意義や、効果について示唆を得ることができた。また令和5年度に参加した国際会議(ARAHE)では、探求的活動のヒントとなるワークショップ教材などを入手することができた。行政職員のアンケートは、研究の計画段階では含まれていなかったが、関連事業への参画を通じて新たな知見を得ることができた。これらの成果について令和6年度以降、整理し公開を進めていく。
一方で、教材の試作を令和5年度中に完成させる予定だったが、この点については遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、A大学の「消費生活論」、「消費者教育」のそれぞれの講義を通じて、教材の試作とその効果検討を行う。また、令和5年度に得られた知見について、研究論文、学会発表の準備を進める。
効果の検討にあたっては、学生以外にも、教員及び消費生活センターなどの行政職員等、様々なステークホルダーにも協力いただき、大学の講義にとどまらず、若年者のワークショップや企業の新人研修など、様々な場面で活用できるような教材開発、ワークショップのパッケージ開発に着手する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画では令和5年度に研究発表会の出席にかかる参加費・旅費及び、出張に伴って、預け先のない子どものためベビーシッターを雇う予定であった。しかし、学会が遠隔で実施されたこと、荒天のため出席できなくなった国際学会などがあり、予定していた支出よりも金額が少なくなった。令和6年度は複数の学会の対面実施が予定されているため、出張費として計上する。
令和5年度に開発教材の印刷を計上していたが、教材そのものの完成に至らなかったことから、令和6年度に印刷費としての使用を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 消費者教育体系イメージマップを基にした教員養成系大学学生の能力の実態把握2023

    • 著者名/発表者名
      奥谷めぐみ
    • 学会等名
      日本消費者教育学会九州支部6月研究報告会
  • [学会発表] Examining of the teaching material for acquiring life planning literacy on Japanese university lesson2023

    • 著者名/発表者名
      Megumi Okutani,Mayuko Suzuki , Keiko Kaga, Kumiko Ohmoto
    • 学会等名
      21ST ARAHE BIENNIAL INTERNATIONAL CONGRESS 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 私たちがエシカル消費を 実践するために2023

    • 著者名/発表者名
      奥谷めぐみ
    • 学会等名
      令和5年度エシカル消費セミナー(大分県消費生活・男女共同参画プラザ主催)
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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