研究課題/領域番号 |
23K02354
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
湯浅 理枝 広島文化学園大学, 学芸学部, 講師 (70828623)
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研究分担者 |
山崎 晃 広島文化学園大学, 学芸学部, 教授 (40106761)
高田 康史 広島文化学園大学, 人間健康学部, 准教授 (80715467)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | リズム系ダンス / 視線計測 / 着眼点の変化 / 学びの深化過程モデル |
研究実績の概要 |
本研究はリズム系ダンス授業において、学習者がどのように知識・技能を習得していくのか、創造的表現が生起する際に学習者は何に着眼して いるか、に注目することで教師の働きかけとの関連を解明していくことを目的としている。 2023年度は研究実施計画に従い、主に次の2点を行った。1)大学生(ダンス非熟練者、熟練者)を対象に、示範モデルの動きを観察する際の視線の軌跡が、学習者のダンス習得レベルによってどう異なっているのかを測定、2)併せて、示範モデルのどこを注視・注目したか、そこに注目した理由などについてインタビュー調査の実施、である。以下にその成果の概要を記載する。 1)視線計測によって得られた身体部位への注視時間及び注視回数についてダンス熟練者と非熟練者で比較したところ、先行研究とは異なる結果を示すものがあった。これが、ダンスジャンルによるものなのか否かについては明らかになっていないため、引き続き検討していく。 2)インタビュー調査の結果、ダンス熟練者と非熟練者は、何を意図してその部位を注視しているのかが異なる可能性が確認された。また、ダンス非熟練者は、ダンス学習経験を重ねることにより、その意図に変化が見られた。 2023年度については研究Ⅰの「学習者の習得レベルと示範モデル観察時の着眼点との関係を明らかにする」ための研究資料の収集をすることはできた。しかしながら、視線計測については、身体部位の注視時間と注視回数のみでしかダンス熟練者と非熟練者の結果を比較できていないため、2024年度以降に身体部位の軌跡を比較することで学習経験が与える影響を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、視線計測の結果の分析について、身体部位の注視時間と注視回数に加えて、身体部位の軌跡を比較することで学習経験が与える影響を検討していくことを計画していた。しかしながら、対象者との日程調整が難しく、予定していたスケジュールで実験や調査が行えなかったため、分析開始が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度については、2023年度からの継続課題である身体部位の軌跡を比較することで学習経験が与える影響を検討し、その結果をもとに学びの深化過程モデルを修正していく。 また、修正モデル完成後に小学生を対象としたリズム系ダンス授業の計画を作成し、研究協力校において授業実施を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は次の2点である。①取得した視線データについての統計処理をおこなったり、分析結果を可視化 して示すことが可能である分析ソフトをインストールし、試聴から分析までをひと通り行うことができるスペックを備えた専用PCが予定していたものより安く購入することができたこと、②参加を予定していた日本教育心理学会が2023年度もオンラインでの開催であったため旅費を使用する必要がなかったことが理由である。 繰り越された予算については、①2023度の研究成果を発表する予定である学会への参加のための旅費、②2023年度の研究で示唆された様々なデータの分析を行うためのソフト購入費、の2点に充てる予定である。
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