研究課題/領域番号 |
23K02396
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
萩野 敦子 琉球大学, 教育学部, 教授 (90343376)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 高等学校国語科「言語文化」 / 高等学校国語科「古典探究」 / 言語活動 / パワーポイント教材 |
研究実績の概要 |
本研究初年度にあたる令和5年度は専ら今後に備えた準備として、学習指導要領の改訂を受けて高等学校国語科で令和4年度入学生から年次進行で履修が始まっている第1学年必履修科目「言語文化」および第2・3学年選択科目「古典探究」の各検定教科書における教材編成を確認してきた。 「言語文化」については9出版社から17種類、「古典探究」についてはやはり9出版社から14種類の検定教科書が発刊されているが、それらの古文分野の内容を見ると、旧指導要領時代の「国語総合」および「古典B」の古文分野の内容とは、採録される教材そのものに大きな違いはなかった。しかしながら、新科目においては教材=古文テキストを読むだけでなく、関連する他のテキストやさまざまなメディア、文化ツールと横断的に学ばせるような、いわゆる「言語活動」が積極的に展開されている。 しかしながら、教科書においてはどうしても静止状態の二次元的な教材が主となっていることも確認できたので、主要教材に対して立体的・経験的に古典の世界に触れさせる補助的な教材をどのように配置できるかを考察した。 今年度は、大学の授業で『源氏物語』を通年で扱ったので、本研究の試行も兼ねて『源氏物語』の理解を促すパワーポイント教材(クリックしながら物語の展開順に登場人物が増えていく仕組みになっている人物関係図など)をいくつか作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の代表者は令和5年度まで4年間にわたり、学部長職を務めた。令和5年度は任期(2年+再任2年)の最終年であったが、学部長職はただでさえ負担の大きい役職であるうえに、学部として文部科学省より大きな単年度のプロジェクト助成金を獲得したため、その遂行に相当な時間と手間を取られることとなった。 本学では人件費が厳しいため役職であっても非常勤講師を雇用することができず、通常どおりに授業や学生指導を行いながらであったため、本研究に割くことのできる時間そのものが極めて限られていた。
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今後の研究の推進方策 |
高等学校国語科「言語文化」「古典探究」両科目の古文分野の各教材において、生徒の「深い学び」を促す補助教材を、パワーポイントで作成する。作成した補助教材については、現役で高校の国語教員を務めている勤務大学の卒業生数名に見てもらい、さらには授業で試用してもらうことで、その効果を検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の代表者は令和5年度、4年目の学部長職にあり、通常の管理運営業務に加えて、学部として単年度の大きなプロジェクト経費を獲得したため、その業務負担が大きく、研究費を十分に使用することができなかった。 令和6年度は、前年度果たせなかった調査出張や必要書籍の購入等を実施することで研究費を使用する。
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