| 研究課題/領域番号 |
23K02411
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| 研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
竹内 晋平 奈良教育大学, 美術教育講座, 教授 (10552804)
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| 研究分担者 |
松井 祐 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10290537)
隅 敦 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (30515929)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | 伝統美術・工芸 / 日本の美意識 / 人との親和性 / 持続可能な開発のための教育 / 図画工作科 / 美術科 |
| 研究実績の概要 |
本研究では、我が国に現存する伝統文化の特質を<日本の美意識>及び<人との親和性>という視点で捉え、これらを持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development、以下「ESD」と記述)に導入することは教育的な効果が高いとする立場をとり、それらを活用した効果的なESDカリキュラムとはどのようなもので、その有効な運用方法とはどのようなものなのかについて明らかにすることを目的としている。 このため、特に伝統美術・工芸にみられる<日本の美意識>に関連して、美意識という語の用法に着目しながら美術科学習における教育的意義についての検討を行い、また伝統美術・工芸と<人との親和性>については、管見の限り言語化・体系化がなされていていないと考えられるため、専門家に対する聞き取り調査等を行う必要がある。 現在まで(令和6年度末まで)の研究実績としては、図画工作科教科書に掲載された日本美術作品を対象とした<日本の美意識>に関する調査(令和5年度、『基礎造形』第32号に掲載)、身近な地域の伝統美術・工芸等(「工芸品」「祭礼」「建造物」「生活の中の造形」)に着目した文化的多様性の価値理解の基盤としての中学校美術における学習指導・評価のあり方に関する検討(令和6年度、『ESD・SDGsセンター研究紀要』第3号に掲載)を行った。また、仏像を中心とした日本の伝統美術を活用した造形の要素等に関する理解を深めるための学習に関する枠組みも構築することができた(令和6年度、第47回 美術科教育学会 岡山大会にて学会発表)。加えて、伝統工芸における<人との親和性>に関する聞き取り調査に着手し、現在も継続中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和6年度に完了することを予定していた「全国に現存する伝統工芸に関する基本調査による特質等についての言語化、および<人との親和性>を図画工作・美術科学習で扱うための基本的な枠組みの構築」については、伝統工芸生産者等に対するインタビュー調査に着手しているものの、完了には至っていない。このため、現在まで(令和6年度末まで)の本研究課題の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度となる令和7年度は、前年度に着手した伝統工芸生産者等に対する聞き取り調査の完了に向けた研究活動を展開する計画である。全国に現存する伝統工芸の中からいくつかの地域・ジャンル等を選択し、関係者に対して<人との親和性>に関する聞き取りを行うとともに、得られたデータについては質的分析ソフトを使用した定性的コーディングを実施する(研究成果については論文発表の予定)。 上記調査と並行して仏像等の日本の伝統美術を活用した立体制作に関する指導法に関する検討を進める。このため、調査研究にご協力いただける学校と連携し、立体制作題材の授業実践に取り組むとともに、その有効性について分析を進める(研究成果については学会発表の予定)。また、その指導法を教科内容の側面から調査するため、立体造形品の試行的な制作を行い、仏像を参照した立体造形の手順等についての検討を行う(研究成果については展覧会発表の予定)。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
主な理由としては、伝統工芸生産者等に対するインタビュー調査が完了しておらず、次年度にも継続する必要が生じたためである。現時点で約半数の聞き取り調査を終えているが、次年度もさらに継続して行う予定である(使用計画としては、物品費、旅費、謝金、その他が該当)。また、仏像を中心とした伝統美術を活用することによる授業実践研究も推進中であり、それに関連する調査等を行う予定である(使用計画としては、物品費、旅費、その他が該当)。
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