研究課題/領域番号 |
23K02463
|
研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
有働 玲子 聖徳大学, 教育学部, 教授 (50232880)
|
研究分担者 |
松村 裕子 聖徳大学, 教育学部, 准教授 (00646292)
深津 さよこ 聖徳大学, 教育学部, 准教授 (20756415)
稲井 達也 大正大学, 人間学部, 教授 (30637327)
小川 雅子 山形大学, 地域教育文化学部, 名誉教授 (40194451)
土平 泰子 聖徳大学, 語学教育センター, 准教授 (60290128)
竹田 晃子 岩手大学, 教育学部, 教授 (60423993)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 国語教育 / 日本語学 / 文集 / 学校文集 / 児童詩集 / 教員の文集 / 方言 / 文学 |
研究実績の概要 |
本年度は、所蔵している文集を閲覧可能な状態に復元を行うことにある。そのために、昭和20年代から昭和30年代の各文集を保存可能な状態に電子化を行った。所蔵している文集の全体の概要としては戦後の文集は725冊、戦前の文集は39冊である。小学校文集が殆どを占めるが、詩集や中学校高等学校及び保護者や教員などの文集、版画文集、個人文集、手紙文等多種多様な文種に富んでいる。その中から専門家の知見を得て、貴重度の高い文集を電子化することを行った。 専門家による知見を得るために2024年3月7日に、東京都立中央図書館貴重書専門員に特別な講義をしていただくことを行った。その結果、貴重度の高い文集を抽出するための視座を得ることが出来た。 頂いた知見としては、2つある。東京都都立中央図書館資料保全専門員、真野節雄様、東京都立図書館サービス部資料管理課課長代理(収書担当)米長純子様等による。一つは、方言・読書・教育に関する多角的な方面の共同研究者を要していること、所蔵している文集資料を保存可能な状態に回復を行うことは、未来の基礎研究に多大なる寄与をするものであり、次世代及び国際的に文集資料継承保存研究に該当するものである。二つは、復元に関してとなる。葉損状況の著しい第一次資料修復の資料価値に関しては現代の尺度ではなく、文化財としての価値を考え、その方面の復元方面の作業進行を行う必要があろう。 なお、この年の成果として論文「小学校の入門時期における口頭作文の指導-昭和20年代の文集より-」(有働玲子)(聖徳大学生涯学習所研究紀要)(2024年3月掲載)にまとめることができた。この他に分担者もそれぞれの学会や雑誌論文にて成果をまとめることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の屋台骨となる、第一次基礎資料の整備に専門家の知見を得ることが出来た。資料が謄写版刷文集、多彩色版画手摺印刷の文集、肉筆手作業綴り帳、崩壊摩耗直前の文集、湿気含みの文集など、現存そのままでは破損が予想されるものが多くあったからである。 そのため、手仕事による貴重書の抽出作業に膨大な時間がかかったが、分担者の研究に寄与する貴重書を抽出でき、電子化を部分的に行うことが出来た。さらに、分担者はそれぞれ各学会での発表や講演、出版などを行うことが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
諸分野の専門家による知見を視野に入れながら、今年度に実施ができなかった地域文集についての専門家招聘を次年度に実施する予定である。 研究分担者との知見の交流により、地域文集及び学校文集等の当時の指導と今日の指導との比較なども必要であり、代表的な地域のみ現在の指導者に意見を求めることを行う予定である。 また、学校文集についての専門家の招へいを2024年5月に実施する予定である。 これらの成果は、2024年10月開催の全国大学国語教育学会で発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度である本年度は、研究代表者および研究分担者の特性に応じて研究を開始した。しかしながら、計画通りに進まなかったところもあり、未使用額が生じた。 未使用額については、各担当研究領域の担当者との話し合いを経て、それぞれの確認ができ次第、使用していく予定である。
|