研究課題/領域番号 |
23K02480
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
加納 岳拓 三重大学, 教育学部, 准教授 (50734810)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 協調的スキル / 鬼遊び / ゴール型 / 行為 |
研究実績の概要 |
今年度の研究として進めた1つ目は、常に他者の意図を推測することが求められる変動性の高い環境を保障した学習環境のデザインである。これまでの運動学習や認知科学の知見を援用し、バスケットボールの単元試案を作成した。この内容は、国際誌に投稿中である。2つ目は、このような学習環境での児童の行為や行動の分析である。高学年ではハンドボールの実践をもとに、毎ゲームチームメイトや対戦相手が変わる中で、ゲーム中に生起した行為を抽出し、ボールを奪われずに相手のゴールへ決めるというゴール型の目的との関係から分析した。「パス」や「マーク」といった名詞的な評価ではなく、「運ぶ」「埋める」といった動詞的な評価を行うことで、ゲーム中のプレイヤーの意図やプレイヤー間の関係を評価できることが示唆され、来年度に国内誌に投稿予定である。低学年では、三者のタグ取り鬼を実施し、運動中のプレイヤー間の距離や角度から、協調するスキルとの関係の分析を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
単元のデザインの骨格や高学年のゲーム中の行為の分析は進めることができたが、教室授業や日常生活との関連については、分析にとりかかったところであり、体育授業との行為の関連を見出すことができるか不透明な部分があるためである。関連が見られない場合は、分析対象としている体育授業の運動環境自体に問題があることが考えらえるため、実践の再構想も必要となることも想定される。
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今後の研究の推進方策 |
高学年のゴール型の分析については、ゲーム中の行為の抽出と分類にとどまっているため、単元中の行為の変容やゲームの質の変容を分析することで、協調的スキルの高まりと運動環境との関連を分析する予定である。低学年の鬼遊びについては、実践の再構想も含めて研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
三者の鬼遊びの分析の方向性を検討していため、実際の分析にかかる人件費が計上されなかった。また投稿予定していた国際誌を変更したために投稿料に変更が生じた。次年度は分析での人件費が当初予定よりも計上される予定である。
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