研究課題/領域番号 |
23K02530
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
中島 夏子 東北工業大学, 総合教育センター, 准教授 (50625663)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | キャップストーン / 学士課程教育 / カリキュラム / 卒業研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の卒業研究との比較の観点から、2000年代以降の米国の大学におけるシニア・キャップストーンの科目とそれを内包するカリキュラムの現状と課題を明らかにすることである。具体的には、米国全体のシニア・キャップストーンの動向の整理を行った上で、スタンフォード大学を対象とした事例研究を行うことを計画している。初年度である2023年度は、米国におけるシニア・キャップストーンの概念と方法の特質を、文献調査と訪問調査を行うことによって明らかにすることを目的とした。
その概念については、文献調査を行い、それを大学教育学会(2023年6月)において「AAC&UのLEAPイニシアチブにおけるCapstone ExperienceとUndergraduate Researchの目的と方法―日本の卒業研究の比較の観点からの考察―」と題した報告を行った。その中で、米国におけるシニア・キャップストーンは研究型(卒業研究や論文等)と非研究型(総合試験、ポートフォリオ、サービスラーニング、インターンシップ等)の二つがあり、多様な方法を含む概念であることを明らかにした。
また、新たに全学生へのキャップストーン要件を新設することを決めたスタンフォード大学を訪問し、その新設に至る経緯についての調査を行った。その結果、2019年に提案された専攻の教育改革に関する提言書を入手し、検討チームのメンバーにインタビューを行うことで、スタンフォード大学が研究活動に限定されない多様なキャップストーン要件を採用した理由が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度ということもあり、研究発表の機会は少なかったが、予定していたキャップストーン概念についての文献調査を中心に、基礎的な部分の研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は以下の3点を行う。 1.初年次に取り組んだ文献調査とインタビュー調査の結果を学会発表等を通して公表すること 2.スタンフォード大学の各専攻のキャップストーン要件とそのカリキュラムについて明らかにするために、訪問調査を行うこと 3.その他の特徴的なキャップストーンの取り組みをしている大学の訪問調査をすること
2025年度は、前年度の結果を受けて補足のための追加の訪問調査を行う。また、3年間の研究全体をレビューし、本研究の成果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定であったノートパソコンを購入しなくても良い状況になったため。翌年度に行う海外調査が、インフレや航空運賃の高騰、円安等の要因によって、より多くの費用が必要とされるため、そのための費用に充てる予定である。
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