研究課題/領域番号 |
23K02544
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
山本 美奈子 山形大学, 学士課程基盤教育院, 准教授 (40814546)
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研究分担者 |
松坂 暢浩 山形大学, 学士課程基盤教育院, 教授 (10649726)
藤原 宏司 山形大学, 法人本部, 教授 (30790563)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 初年次教育プログラム / キャリア教育 / 肯定的な自己理解 / インタビュー調査 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、発達障害学生向けにキャリア教育の観点から、肯定的な自己理解を深める初年次教育プログラムを開発することを目的にしている。研究初年度となる2023年度は、以下の調査を実施した。 (1)発達障害学生向けの初年次教育プログラムの必要性を明らかにするために、国内外の文献レビューを行った上で、卒業を控えた発達障害学生にインタビュー調査を実施した。その結果、入学前の段階では大学生活を漠然とイメージしており、初期段階で必要な履修管理、相談スキル、健康管理、自己理解などが認識できていないことが明らかになり、ニーズの把握ができた。 (2)大阪大学で実施している発達障害学生向けの入学前オリエンテーション(1日間)について、担当教員にインタビュー調査を実施し、プログラム内容を明らかにした。主に先輩学生の体験談、履修登録体験と合理的配慮の内容で構成されており、参加者同士の交流ができるように工夫されていた。 (3)米国のLandmark Collegeは、発達障害の診断がある学生対象の大学であり、学士取得者の87%が就職および大学院進学の実績(2022)がある。発達障害学生の学業修了にむけた教育・支援体制を明らかにし、初年次教育プログラムの基礎資料にすることを目的にEM(Enrollment Management)担当副学長や学生の教育・支援に携わる教職員7名にインタビュー調査を実施した。その結果、入学前から学生はアドバイザー教員と定期面談をし、関係性を築いたうえで4日間の入学前オリエンテーションに参加し、教職員や先輩学生などから学習面や生活面について、体験を交えながら学んでいた。同時期に、保護者は保護者向けオリエンテーションに3日間参加し、子どもの成長を支援する関わり方を学んでいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に研究計画としてあげた研究は、やや遅れている。米国Landmark Collegeのインタビュー調査が2024年3月の訪問だったこともあり、プログラム開発の内容を現在検討しているところである。今年5月末を目標にプログラムを完成させ、6月初旬頃には今年度入学した発達障害学生に向けてプログラム参加の募集を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、以下の研究および実践を行う予定である。 (1)2023年度のインタビュー調査結果を踏まえてプログラムの開発および試行的な運用を行う。 (2)プログラム参加学生を対象に、教育効果測定を目的としたWEBによるアンケート調査を実施する。 (3)プログラムによる教育効果の定着度合の把握を目的に、参加学生に対して冬休み頃を目安にインタビュー調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の分析として専用ソフトの購入を計上していたが、インタビュー数が予定より少なく他の分析方法に変更したため購入を見合わせた。そのため、発達障害のキャリア教育などに取り組んでいる先進事例の調査および学会参加などにかかる旅費として使用する予定である。
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