研究課題/領域番号 |
23K02557
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
泉谷 道子 創価大学, 経営学部, 准教授 (90909491)
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研究分担者 |
安野 舞子 横浜国立大学, 高大接続・全学教育推進センター, 准教授 (20507793)
河井 亨 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20706626)
和栗 百恵 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (30365887)
武田 佳子 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 教授 (50880259) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | リーダーシップ / 社会変革 / ネットワーク / 効果検証 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
2023年度は、主に、国際ワークショップ、国内プログラム調査研究、国内外での学会発表、論文執筆を行なった。複数回実施した国際ワークショップや学会発表では、日本において、女性を含む多様な人々が活躍する社会実現のための社会変革として何ができるかを参加者と共に議論した。これらの活動を通して国内外の研究者・教育者とのネットワーク構築が実現し、社会変革的リーダーシップの開発に有用な概念・理論・モデルなど、有益な知見が得られている他、共同研究にも発展している。国内プログラムの調査では、一つの大学での量的調査・質的調査から得られたデータと、全国の大学生を対象とした調査から得られたデータを比較し、リーダーシップ教育の効果検証を試みた。その結果、社会変革に求められる「社会的責任リーダーシップ」の開発と教育的介入の関係性をある程度見出すことができた。他方、プログラム以外の影響についての検討など複数の課題が残された。また、2023年度は、女子大学生のリーダーシップ教育研究において最も重要な位置にある米国の研究者Julie Owen(George Mason Univesity)による著書「 We Are the Leaders We’ve Been Waiting for: Women and Leadership Development in College」の翻訳に着手し、2024年度に出版を予定している。本書は米国の教育機関においてリーダーシップ教育の教科書として用いられており、日本語版が出版された折には、本書を用いた教育活動と実践研究を行い、その効果検証を踏まえて、本研究プロジェクトの最終目的である、女性を含む多様な人々が活躍する社会の実現のための効果的なリーダー シップ教育プログラムの開発へとつなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、国内外での学会発表合計2回、3本の論文発表、米国の研究者を招いてのワークショップ1回、本プロジェクトに関わる研究者らによるワークショップを1回実施した。これらは当初の予定では複数年かけて行うことを予定していたが、いくつか前倒しで実施した。北米プログラム訪問調査研究は予算の都合で実施していないが、女性とリーダーシップの教育において重要な書籍であるJulie Owen(George Mason Univesity)による「 We Are the Leaders We’ve Been Waiting for: Women and Leadership Development in College」の翻訳を行なっており、2024年度には、同書で得られた知見を用い、計画書に記している女性リーダーシップ教授法の開発を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に実施した量的・質的研究結果をふまえた調査方法の確立のための時期とし、調査項目の精選と拡張を検討する。具体的には、2023年度に使用した「社会的責任リーダーシップ尺度」の信頼性・妥当性を検証し、日本版尺度の見直しを行う。また、4月には米国のリーダーシップ教育・研究者3名を招き、オンラインで国際ワークショップを実施、6月には立命館アジア太平洋大学Center for Inclusive Leadership Conferenceと大学教育学会大会 にてラウンドテーブルを実施し、それらのイベントで得られた知見や、2024年度に出版を予定している「We Are the Leaders We’ve Been Waiting for: Women and Leadership Development in College」で提唱されている知見を加えて、社会変革的リーダーシップ教育の授業デザイン・教授法・教材・学習行動・学習成果・文脈要因の多面的な検討を行う。研究成果は、大学教育学会・日本リーダーシップ学会・International Leadership Associationの大会等にて発表もしくは論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は2023年度に翻訳本の出版を予定しており、出版費用として150万円を計上していた。しかしながら、翻訳作業や版権獲得などに時間を要し、出版が20204年夏頃に延期となった。2024年には出版費用として150万円を使用する予定である。
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