研究課題/領域番号 |
23K02629
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
竹村 淳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20297617)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 教育支援システム / 実験教育 / 拡張現実 |
研究実績の概要 |
科学技術系の教育においては,ものづくりや計測器を用いる実験により実践的な能力を習得することが必須であるが,教育現場における設備環境の不足やオンラインによる実施が必要な場合の対応として,仮想現実(virtual reality; VR)を用いた実験教育が注目されている。しかしながら,現行のVRを用いた教育においては,学習の妨げとなる装着機器を要し,かつ既存のコンテンツに基づく受動的な学習になりやすく,実用的かつ高度な実験をリアルに経験し学ぶことが困難であるという問題点がある。そこで本研究は,このような問題点を解決できる新しい拡張現実(extended reality; XR)の技術を開発し,ものづくりを伴う実験学習を支援する教育システムへの応用を試みる。令和5年度の研究においては,裸眼視が可能な立体ディスプレイを導入し,3次元画像認識を組合せたシステムを構築することにより,立体視を伴う電子回路製作を伴う実験が可能となるシステムの開発を行った。この研究により,3次元空間に提示される立体コンテンツを利用者が用途に応じて組み合わせながら操作することを可能とし,視覚的に実際の実験と同様の体験ができる教育システムを実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案するシステムの構築と実験教育システムに応用するためにソフトウェア開発がほぼ計画どおりに実現できており,次年度の研究を進める準備が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに構築したシステムに触覚・力覚を提示するデバイスを組み合わせることにより,実際の実験と同等の作業を体験しながら学習できる新しい教育システムを開発し,提案するXRのハードウェア面での技術を完成させる。そして,構築したシステムを拡張するためのソフトウェア開発により,利用者による拡張と多用途化を可能とする実験教育システムの実用性を向上させる研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
導入した設備の一部において価格の変更があり,次年度使用額が生じた。次年度使用額は,今後の成果発表(論文,国際学会) が当初の計画より増える見込みであるため,そのための校閲及び掲載料に使用する。
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