研究課題/領域番号 |
23K02635
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
陳 国躍 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20282014)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 畳み込みニューラルネットワーク(CNN) / 複数CNNの融合 / AI教育システム / 超解像度 / 医用画像処理 / 深層学習 / 画像認識 / 画像解析 |
研究実績の概要 |
複数の異なるConvolutional Neural Network (CNN) を組み合わせる方法は、異なる観点から情報を取り入れることや、モデルの性能を向上させるために有効である。 これまでの研究では、2つのCNNモデルを使用して融合モデルを構築する。 CNNを用いたfine-tuningには、目的の識別を行うための学習に用いるCNNの重みの初期値を、他の識別問題のための大量のラベル付き画像で学習済みCNNの重みに置き換え、再学習に、より短時間・少ない画像でも相当な識別精度に至る。即ちある領域で既に学習させたCNNの一部を転用し、新たなCNNを生成する方法である。この手法に従っている識別問題に対して、従来1つのタスクに対し単一CNNが使われることが多いが、識別精度が必ずしも高くない。 本研究では、高い精度に到達するため、より多くの特徴量を抽出できるようにする。特徴抽出器として2つのCNN(Resnet50及びInceptionV4)同士の入力層から出力層に最も近い最大プーリング層までの一部を並列に接続し、学習済みの重みを置き換え、特徴量の抽出を行う。ここで、抽出された全ての特徴量は幅、高さ及びチャンネル数を一致するように結合し、また追加したGlobal Average Pooling層を通して平均特徴ベクトルを求める。さらに、汎化させる特徴量を取り出す機能を有するDropout層を添加し、最後に1つのニューロンでの出力層を回帰問題とみなし、乳癌の転移の有無を判定する確率を出力する。提案モデルでは、医用画像から、より多様な特徴が自動抽出できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい手法としては、従来の統合手法と組み合わせることでさらなる性能向上が期待できる。新しい手法の採用には、タスクやデータセットの特性に応じたモデルの調整やチューニングが必要ですが、それにより効果的な複数CNNの融合が実現できる可能性がある。 典型的な手法としては、異なるCNNモデルから得られた特徴マップをチャネル方向(深さ方向)で結合し、これを入力として受け取る新しいネットワークを構築する。この新しいネットワークは、複数のモデルが持つ情報を統合した表現を学習することができる。 これらの手法は、特定のタスクやデータセットに応じて異なる効果を持ちる。組み合わせる際には、モデルの相互適合性やパラメータの調整、過学習の問題などに注意して慎重に設計する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
そこで、本研究では、高い精度に到達するため、より多くの特徴量を抽出できるようにする。特徴抽出器として2つのCNN(Resnet50及びInceptionV4)を使用して融合モデルを構築した。これから、VGG、DenseNet、 Inception、 ResNet、 EfficientNet、 MobileNet などモデルを深く理解した上、複数のCNNを選択しモデルを融合して、高精度の融合モデルを構築する予定でる。更に、多クラス分類も行う予定である。 また、医用画像は解像度が限られておりノイズやアーチファクトによって微細な病変の検出に課題を抱えている。このような背景から医用画像の解像度を向上させることは,より正確な診断に直結する。そのため画像を拡大し細部の解像度を高める超解像技術が重要である。医用画像の画質改善や診断に機械学習を利用する方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の遂行にあたっては、機械学習を用いた画像認識により判定する解析ソフトウェアと解析の実施には高性能な演算処理かつ大容量のメモリの搭載が可能なパソコンが必要不可欠である。また、各種類の医用画像データの記録には、SDカードやハードディスクなどの記録媒体が多数必要である。 また、研究成果の発表、情報収集のため、旅費を計上している。
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