研究課題/領域番号 |
23K02689
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
河邉 紅美 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80966705)
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研究分担者 |
岡本 華枝 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (70648881)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | インストラクショナルデザイン / 看護補助者 / 教育プログラム / 実践能力向上 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護補助者の実践能力を測定する尺度を作成するとともに、看護補助者の実践能力を向上させる手法としてIDの知見に基づき効果的、効率的な教育プログラムを開発し、それを用いた介入を実施し、効果を評価することを目的としたデザイン研究を行う予定である。目的達成のため、①看護補助者実践能力評価表の作成、②IDによるニーズアセスメント、ゴール設定等を行い、シミュレーションを活用した看護師に準ずる倫理観を持ちながら看護補助者実践を遂行できる教授法を開発する予定である。 2023年度は、看護補助者の実践能力評価表作成に向けた文献検討を行った。検討した文献は看護補助者、看護師、原著論文では、363件の論文がある。内容を確認後、自己の研究課題と関連の浅いものを除外すると62件に絞られた。内訳は、看護補助者への委任や委譲に関する文献が6件、看護師と看護補助者の協働や連携に関する文献が8件、看護補助者への教育や研修に関する文献が15件、看護補助者業務に関する文献が15件、看護補助者の態度や倫理観に関する文献が6件、看護補助者の実態調査に関する文献が3件、看護補助者の職務満足に関する文献が4件、看護補助者のメンタルヘルスやストレスに関する文献が3件、看護業務での安全や安楽に関する文献が2件であった。この文献検討の内容は、看護補助者実践能力評価表の内容として検討を続ける。 9月に行われた医療IDセミナーLA養成コース参加では、IDの具体的方法を用いて受講生への指導を行った。この経験は、IDを用いた教育プログラムの作成につなげることができる。3月での医療教授システム学会総会・学術集会では、「教育実践を研究につなぐプログラム評価研究の考え方」の教育講演座長を行い、プログラム評価研究の知見を深めることが出来たため、次年度に取り掛かる教育プログラムの参考教材としていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、看護補助者に関する実態調査・看護補助者実践能力評価表の作成として、①看護補助者における文献検討、②看護補助者実践能力評価表の項目精選を計画していた。①としての文献検討は終了したが、②である看護補助者実践能力の項目精選は、現在進行途中である。理由としては、文献検討を行った中で看護補助者の実践能力は、看護補助者に焦点を絞り検討していくだけでなく、看護師との協働で培われていくものであると考えるようになった。そのため、別研究として、「急性期病院における看護師と看護補助者の協働で行う看護のあり方に関する研究」を取り組んでおり、研究実施可能に向けた取り組みとして、研究倫理審査の承認を待っている段階である。そのため、看護師と看護補助者との協働での看護のあり方が明確になったのちに、看護補助者実践能力評価表を完成していきたいと考えている。それらの理由より、やや遅れている進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、2024年度は教育プログラムの開発として①看護補助者ニーズアセスメント、②教育プログラムのゴール設定、シミュレーションを活用した教授法の設計を予定している。2025年度は、教育プログラムの実施、評価として、①介入前調査、②教育プログラムの実施、③介入後に看護補助者実践能力評価表を活用した教育プログラムの評価を実施し、成果・問題点・改善策・課題等を分析と計画している。2024年度は、看護補助者のニーズアセスメントを行いながら、2023年度作成予定であった看護補助者実践能力評価表を作成していく予定である。そのため、予定より遅れてではあるが、2025年度に教育プログラムのゴール設定、シミュレーションを活用した教授法の設計をし、同年中に教育プログラムの実施、評価を行っていく予定である。 2024年には、医療ISDセミナーの講師を予定している。このセミナーは、受講者の授業および研修設計をサポート、支援する内容である。セミナー講師の経験は、IDに基づく教育設計へ役立てることができると考えており、より効果的な教育プログラムの内容を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、研修設計の研修会参加数が少なかったためである。次年度の使用額は、インストラクショナルデザイン(ID)に関する研究会や学会に参加する予定が数多くあるため、旅費として使用していく計画である。
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