研究課題/領域番号 |
23K02702
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
半澤 礼之 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10569396)
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研究分担者 |
浅井 継悟 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40776655)
田中 雅子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70880095)
越川 茂樹 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80338433)
星 裕 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80780650)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 教師教育 / 教育実習 / 教師の発達 / 教師のキャリア |
研究実績の概要 |
2023年度は論文を1本刊行,学会発表を2回行った。 論文は,日本教師学学会の論文誌に次の論文が掲載された。「田中雅子・星裕・半澤礼之・浅井継悟・越川茂樹 (2024) 教師教育者としての管理職が期待する教育実習指導教員の発達プロセス 日本教師学学会学会誌26巻1号」 この論文は,管理職に対して面接調査を行い,彼らが教育実習指導教員に対して教育実習指導を通じてどのように発達することを期待しているのかについて検討をおこなったものである。結果として,指導教員の選定からミドルリーダーの誕生までの期待プロセスが明らかになった。また,そのプロセスには経営者としての思惑や管理職の触媒機能が作用していることも示された。 学会発表は,日本教育工学会2024年春季全国大会(第44回,熊本大学)と日本教師学学会第25回大会(秋田大学)で行った。日本教育工学会で行った発表は,「浅井継悟・半澤礼之・星裕・田中雅子・越川茂樹 傾向スコアを用いた教育実習生の受け入れ経験が教師の自律的な学習姿勢に与える影響の評価」であった。学校教員を対象にした質問紙調査をおこない,教育実習生の受け入れ経験がある教師とない教師の比較を行った結果,受け入れ経験のある教室の方が自律的な学習姿勢の得点が高いという結果が得られた。日本教師学学会の発表については,上記の論文と同様であるためここでは割愛する。 また,上記の論文執筆や学会発表と並行して,実習指導が自律的な学びに与える影響を検討するための学校教員に対する縦断的な質問紙調査,また,教育実習指導教員経験者がその経験をどのように捉えているのかを検討することを目的とした面接調査も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度には,査読付きの学会誌に論文を1本,学会発表を2回実施して本研究課題における研究成果の発表および周知を行うことができた。また,そのような研究成果の発表の作業と並行して,教育実習指導教員の発達を検討することを目的とした縦断的な質問紙調査(教育実習の事前・事後で自律的な学び等の変数を測定)や,面接調査(教育実習指導教員の実習指導に対する意識)も実施することができた。これらの研究結果については,現在論文にまとめているところであり,2024年度には学会発表も予定している。
当初の計画では2023年度は質問紙調査の項目作成を主たる目的とした文献研究を中心とする予定であった。しかし,上記の通り,その文献研究に加えて上記の調査研究も実施することができた。また,その成果を発表することもできたことから,本研究課題の進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と判断することができる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き,教育実習指導教員の発達を量的・質的に検討するため,学校教員,特に実習指導教員の経験者に対する質問紙調査(縦断調査も含む)や面接調査を実施する。
質問紙調査については,教育実習指導教員の発達を多面的に捉えるため,指導教員が所属する学校の管理職や実際に指導を担当した教育実習生にも質問紙調査を行い,3者のマッチングから実習指導担当教員の発達を明らかにしていく。
面接調査については,2023年度から継続しておこなっている実習指導担当教員の意識を明らかにするための調査について学会発表を行い論文にまとめる。くわえて,学校種や学校の設置場所といった要因にも着目し,様々な観点から教育実習指導教員の発達について質的に明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査をオンラインで実施することができたため,データの入力に関わる人件費を抑えることができた。また,学会大会のスケジュールの都合で研究代表者・分担者が全て学会参加しておらず,従って旅費が当初の予定よりも少なくなった。次年度については,遠方での学会大会が予定されているため,その旅費に使用することを計画している。
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