研究課題/領域番号 |
23K02710
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
今井 亜湖 岐阜大学, 教育学部, 教授 (50367083)
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研究分担者 |
柏木 智子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90571894)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 学校情報 / ガイドライン作成 / 入学予定児・保護者 / 外国人児童保護者 / 小学校 |
研究実績の概要 |
本年度(2023年度)の研究活動は大きく2つに大別できる。 1つ目の活動は,入学予定児及び保護者に提供される学校情報が学校文化に適応するための影響を検討するための概念整理を行った。すなわち,本研究のテーマである小学校に入学する子どもたちが適応する「学校文化」とは何か,2022年度に行った入学説明資料をもとにした学校情報に関する予備調査の結果から「行動様式」,「学習環境」といった概念について問い直す必要があると考え,これらの概念に関する先行研究のレビューを研究分担者と担当を分けて実施した。 2つ目の活動は,2022年度に行った小学校新入生入学説明資料を対象とした学校情報調査の結果をもとに,学校情報の分類を試みる活動である。2022年度に行った調査では,石附ら(1992)が行った学校文化を2側面(コト的な側面,モノ的な側面)に分類する方法を用いて,全国284校の入学説明資料に掲載されている情報を見出しを手がかりに分類し,コト的な側面に関する情報を19カテゴリー,モノ的な側面に関する情報を4カテゴリーに分類し,各カテゴリーの掲載割合から情報カテゴリーの重要度を明らかにした(川出・今井 2023)。ただ,この調査で用いた情報カテゴリーは入学説明資料の見出しから抽出したため,説明されている内容の分析までは行っていない。そこで,本年度は各情報カテゴリーで扱われている詳細情報を質的に分析するために,2年分のデータを対象に入力作業を行った。データ量が多いため,質的分析ソフトを使用した分析を実施するため,並行して質的分析ソフトの操作習得と,データ分析の検討も行った。質的分析ソフトで効率よく分析するためのデータ整形に難航し,来年度の前半までこの活動は継続する予定である。 これらの結果をもとに,2024年度に保護者を対象とする学校情報調査の調査項目の作成を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも触れたが,入学予定児及び保護者に提供される学校情報が掲載されている入学説明資料が予想以上に多く収集することができたため,デジタル化及びデータ整形作業が当初の予想よりも時間がかかり,本年度で終えることができなかったため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
入学説明資料に掲載されている情報を手入力でデータ化していたことが遅れの原因であると考えた。そこで,機械的にデータ化できる方法を考え,年度末に整備を完了した。これにより,データ分析のための準備の遅れを取り戻すことができると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力の遅れに伴い,研究テーマに関連する学会等にて情報収集を行う時間を取ることができなかった。次年度はデータ分析の結果を学会等で発表しながら,情報収集も積極的に行っていく予定である。
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