研究課題/領域番号 |
23K02737
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
本吉 大介 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (30712335)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / 授業研究 / 教材研究 / 情報プラットフォーム / 業務効率化 / 専門性向上 / ICT活用 |
研究実績の概要 |
本研究では次の3点について研究を進めています。①授業・教材研究を効果的・効率的にする各学校の実態に応じたデジタルツールの開発、②デジタルツールを活用した授業づくりシステムの運用、授業改善の効果検証、③コミュニティ機能を持つ授業・教材データベースの構築と運用、効果検証。 2023年度は主に①に集中的に取り組みつつ、②③を2024年度以降に実施するためのコミュニティ形成や研究協力者(学校)との共創関係づくりに取り組みました。 ①の学校の実態に応じたデジタルツール開発は、小学校、特別支援学校の教員と協働してツールづくりを進めています。また、そのプロセスで得られた知識やアイデアからオリジナルのツールづくりを進めることもできています。加えて、研究期間中に著しく発展した生成AIの効果的な活用による業務効率化の道筋も拓けています。具体的には、従来から行われてきたアセスメントや指導計画をデジタルツール化することで作業を効率化するとともに、アセスメントや指導計画の情報に基づいて教師の授業づくりを支援する生成AIの開発に着手することができました。 ②のデジタルツールを活用した授業づくりシステムの運用、授業改善については、2023年度中に小学校の特別支援学級、特別支援学校の教員と協働で、学校の業務フローに合わせる形でツールづくりを進めることができました。 ③については、情報が蓄積されていくホームページを作成・公開しました。本研究プロジェクトそのもの、または本研究プロジェクトの過程で生産された情報に関心がある学校の先生方がアクセスするweb上の場所づくりを進めることができました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は想定外のトラブル等が発生することがなく、当初の研究計画通りに進めることができています。本研究プロジェクトの計画・申請段階では想定していなかった生成AIの著しい発展やクラウドサービスの発展・普及があり、それらを本研究プロジェクトに組み込めたことでより効果的な課題解決に向かうことができています。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画に沿って研究を推進していきます。 「①授業・教材研究を効果的・効率的にする各学校の実態に応じたデジタルツールの開発」については、引き続き学校単位あるいは先生個人単位のニーズに応じてデジタルツールを作成・改善していきます。加えて、どのようなプロセスを経て学校現場に実装していくか、学校の先生方に対してどのような研修が必要であるかなど、学校現場と対話を繰り返しながら検討していきます。 「②デジタルツールを活用した授業づくりシステムの運用、授業改善の効果検証」については、2023年度に作成したツールを活用し授業改善に関わる予備的な効果検証を実施していきます。 「③コミュニティ機能を持つ授業・教材データベースの構築と運用、効果検証」については、引き続き、デジタルツールを活用した授業づくりシステム、授業づくりシステムの仕組みや作り方、授業づくりシステムを使用して生産された情報などをホームページ上で発信し、人と情報が集まる情報プラットフォームをめざしていきます。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に物品費が当初予算より低くなったため、次年度使用額が生じました。 本研究の推進には、高い専門性と豊富な職務経験を持つ人材によるアイデアを形にする仕事が重要になっています。また、情報発信による人や情報の交流が欠かせません。 そのため、研究推進に必要な人件費、研究発表やシンポジウムの機会を設定するための旅費に使用する計画を立てています。
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