研究課題/領域番号 |
23K02740
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
大塚 一徳 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70259688)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ワーキングメモリ / メタ記憶 / 高齢者 / 認知症 |
研究実績の概要 |
本研究は認知的加齢の影響が大きい認知機能の一つであるワーキングメモリと自身の記憶能力や記憶内容に関する認知であるメタ記憶に着目し、受講者のメタ記憶の適切な変容を目的とする認知症予防講座の開発と実践を行うことを目的としている。開発した認知症予防講座において、受講者ひとりひとりのワーキングメモリとメタ記憶の査定結果内容に応じて、ワーキングメモリ容量の制約を補うためのメモやリマインダーといった外部記憶の効果的利用方法を紹介し、認知症予防に向けた受講者の取り組みをサポートすることも目的としている。 特に本研究では、認知症予防講座の効果を検証するにあたり、記憶能力の向上や改善のみではなく、高齢者のメタ記憶の適切な変容を目的としてアプローチし、高齢者の自己効力感やメタ認知の変容に着目している。すなわち、本研究は、高齢者のワーキングメモリとメタ記憶に関する認知心理学的知見を認知症予防のための高齢者向け講座に応用し、受講者のメタ記憶の変容を目的とした講座の開発を行い、講座の認知心理学的妥当性についても各種心理実験や心理尺度を開発し検証する。 本年度は申請者の所属する近隣地域の高齢者に対して認知症予防講座参加者の募集を行い、参加者のデータベースを構築を開始した。また、並行して、グループ版高齢者用ワーキングメモリスパン課題の開発を行った。認知症予防講座で実施するグループ版ワーキングメモリスパン課題の信頼性妥当性を検証するために、申請者が開発した個別実施用高齢者版ワーキングメモリスパン課題の実施を開始した。また、高齢者用メタ記憶質問紙による調査を実施し、質問項目を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集のための準備が整ったため。
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今後の研究の推進方策 |
開発したグループ用ワーキングメモリ尺度、メタ記憶尺度等を高齢者講座等で実施し、個別実験へとつなげ、尺度や講座の効果について検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は高齢実験参加者のリクルート、実験用プログラムの開発、調査尺度の開発を中心に行い、当初予定していた謝金、旅費等の支出は次年度に持ち越した。したがって次年度に予定していた謝金、旅費等を支出予定である。
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