研究課題/領域番号 |
23K02750
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研究機関 | 九州ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
増本 利信 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (30882534)
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研究分担者 |
岡野 由美子 奈良学園大学, 人間教育学部, 准教授 (10845621)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 学習者用端末の活用 / 読み支援 / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、種々の文章提示調整の効果を生理学的に明らかにすることで方法を精選し、児童生徒が読みたい文章を、自発的に読みやすく調整できるアプリケーションを開発することである。4年間の研究期間の1年目にあたる2023年度には、支援者の文章提示調整方法について質問し調査を行うために、研究代表者の勤務地のほか、研究承諾を得られた複数の県の自治体及び研究協力者の勤務する県内など複数の地域において質問紙を配布した。1000件程度を配布し、現時点で173件の回答を得ている。 質問内容としては、日常の授業において行なっている読み支援について「その支援方法」、タブレット端末を用いた読み支援において「活用している支援方法」「使用すると効果があると期待できる支援方法」及び、デジタル教科書の導入の状況と、活用の実際、その効果について回答を求めた。 分析を現在行なっているところであるが以下に記す傾向が認められる。 ○60%の教員がICTを活用した指導に慣れている若しくは概ね慣れていると答えていることから、現場における教師の活用スキルの向上が認められる。○使用端末は約50%がWindows端末、36%がChromebook、18%がiPadであった。○学習者用端末の活用により児童の読みに関する学習に効果があると感じる教員は全体の75%であり、ルビふりや画面上での文字拡大が効果があるとされた。○今後期待する機能の中には、児童の音読に合わせて読んでいる部分の色が変わるなどの読みやすくする支援や、児童が読みたいと思った文章を写真で取り込んですぐにルビが振られたり読み上げられたるするなど日常生活での活用できる機能などが提示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の計画通りアンケート調査を行なったが、結果をまとめ公表するまでには至らなかった。理由として、質問紙作成に時間を取ったことと、協力自治体の選定に時間を必要として、年度後半の調査となったことが挙げられる。現時点でデータは集まったので、2024年度中に成果をまとめ、学会報告と論文化を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
まずは2023年度に実施した現場の教員を対象とした質問紙調査を整理して発表と投稿を行いたい。 研究代表者及び、分担者の勤務する自治体においてリクルートした、読み困難児童と定型発達児童に対して、上記調査で得られた画面提示条件での読み行動について、読み速度や誤り数、主観的読みやすさ尺度への回答を得るとともに、眼球運動様相についても収集し、読み行動の生理学的変化についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が支出がなかったため。 次年度のデータ収集において旅費等で支出する予定である。
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