研究課題/領域番号 |
23K02768
|
研究機関 | 筑波学院大学 |
研究代表者 |
高藤 清美 筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (00279556)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | プログラミング教育 / 小型人型ロボット / 論理的思考 / 実体験 / コミュニケーションロボット / ロボホン / ピッコロボIoT / Rapiro |
研究実績の概要 |
本研究では、研究期間を通して①学習指導要領におけるプログラミング教育の内容と、プログラマーなどの技術者に必要な教育内容との比較検討による共通点や差異の明確化、②論理的思考に必要と考えられる要素とプログラミングに必要な要素の対応関係の明確化、③プログラミング可能な小型人型ロボットのプログラミング環境の検討、④小型人型ロボットを活用したプログラミングの学習カリキュラムの検討・作成、⑤発展的なプログラミング学習のために、コミュニケーション機能を持つ小型人型ロボットを使用するプログラミング教育用のテーマの検討、⑥安価な小型人型ロボットの活用の検討、をおこなう計画である。2023年度は、このうち①、②、③、⑥を中心に取り組む計画であった。 2023年度の研究実績の概要は次の通りである。(1)(⑥関係)小型人型ロボットの検討:本研究の対象とする小型人型ロボットは、よく使われる汎用的なプログラミング環境が利用でき、何らかの方法で拡張ができるものを選択した。学校現場での入手性の良さを考慮し、ロボホン、ピッコロロボIoT、Papiroの3種類を対象に検討した。(2)(①、②関係)小型人型ロボットのプログラミング要素の考察に関してプログラム構造に関する考察:現在のプログラミングに関して、基本的なプログラム構造は「順次構造」「選択構造」「反復構造」の3つとされている。これらが、小型人型ロボットのどのような動きに対応するか、明確にした。さらに、現代的プログラミングの主流であるオブジェクト指向プログラミングやイベントドリブン型のプログラミングへの対応についても検討し、ほぼ明らかにした。(3)(③関係)プログラミング環境の検討:初等教育段階ではビジュアルインターフェースを使用するScratchやBlocklyなどが適切と判断した。高等教育段階ではPythonが適当と判断した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要の示した①~⑥の項目のうち2023年度は①、②、③、⑥を中心に取り組む予定であった。これらの項目の進捗状況の自己評価は次のようになる。①学習指導要領のプログラミング教育と技術者のためのプログラミング教育の比較については、概ね、検討ができているが、今後、研究報告レベルにするための作業が必要である、②論理的思考とプログラミングの思考の比較検討は、おおよその概要をつかめた段階であり、さらなる検討が必要である、③小型人型ロボットのプログラミング環境の検討は2023年度の目標をおおむね完了している、⑥安価な小型人型ロボットの検討については2023年度の目標はおおむね完了している。 2023年度は以上のような状況であり、①、②の文献調査や事例研究、研究成果のまとめに十分な時間が掛けられなかったことが原因である。この理由としては、本研究の申請後に、在籍している大学が2023年度に受審した機関別認証評価の教員側の責任者に指名され、4月から11月頃まで、この業務のために多大な時間が必要であったためである。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要の示した①~⑥の項目のうち2024年度は、②、③、④、⑥の内容を中心に進める。②、③、⑥に関しては、2023年度の成果をもとに、さらに研究を進める。④は小型人型ロボットを活用したプログラミングの学習カリキュラムの検討・作成といった内容であり、本研究の中では新たな研究項目である。年度当初から、検討を進め、年度内には一定の結論を得られるようにする。また、2023年度は①、②、③、⑥を中心に取り組む予定であったが、①、②についてはやり残している部分があるため、2024年度の前半には完了するように取り組む。
|
次年度使用額が生じた理由 |
特に、2023年4月から11月に掛けて、研究計画が遅れ気味だったことから十分に取り組むことができない点があり、そのため研究費の残額が生じた。遅れている部分については、2024年度の早い時期に取り組み、遅れを取り戻す予定であり、2024年度の早い時期に使用する予定である。
|