研究課題
高専生に対する未来のガリレオ育成活動:[食連星の観測と光度曲線解析] 5年卒業研究生2名との共同研究として、測光データに主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデルを考慮する連星の物理量の導出に焦点を当てた。かみのけ座RW星(RW Com)及びぎょしゃ座ZZ星(ZZ Aur)について、測光データから作成した光度曲線に質量光度関係等の情報を加え、連星系理論に基づいたWDコードを組み込む解析ソフトウェアPHOEBEを用いた解析で、各種物理量の絶対値を導出した。[天体観測室の改良(全天モニタ)] Entaniya VR 200 Cameraを格納した防水ドームを取り付けたPVKボックスを屋上に設置し、配線した5m屋外用LANケーブルを階下のシングルボードコンピュータRaspberry Pi4に接続している。このRaspberry Pi4上で、Pythonプログラムにて撮影し、そのJPG画像を気象観測サーバに転送し、5秒毎に更新することで全天モニタシステムを構築した。[科学教育(加速器)] 加速器アウトリーチAxeLatoonに参画し、3年全系横断演習Ⅰ学生3名が、アクリルパイプを加速管、豆電球フィラメントからの熱電子をイオン源とする卓上静電型加速器製作に取り組んだ。真空ポンプで1.58×10^{-2}Paに空気引きし、フィラメントが安定的に発光することを確認した。地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:世界天文年2009 から行っている小中学生対象の公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、新型コロナウィルス感染拡大防止の関係で公開講座としては開催できないでいたが、2024年度からいよいよ復活することになり、第1回7/17(水)「夏休み直前スペシャル 手作り望遠鏡で月を見よう」、第2回11/7(木)「天体望遠鏡で木星と土星を見よう」の計画が校内で認められた。
3: やや遅れている
高専生に対する未来のガリレオ育成活動:[食連星の観測と光度曲線解析] 5年卒業研究生2名との共同研究として、主に測光データを用い、主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデルを考慮する連星の物理量の導出について、RW ComとZZ Aurについて解析できたので、「おおむね順調に進展している」である。[天体観測室の改良(全天モニタ)] 5年卒業研究生1名との共同研究として、Raspberry Piを活用した全天モニタシステムを構築できた。「当初の計画以上に進展している」である。[科学教育(加速器)] 卓上静電型加速器については、具体的な形になってきた。「当初の計画以上に進展している」である。地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:小中学生対象の公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、前年度に校内での承認が必要であり、2024年度の開催承認が得られた。しかし「経年変化による不具合から限界を迎えている自動導入経緯台の代替機整備」及び撮影機材の整備が2024年度にずれ込んでしまったので総合的に「やや遅れている」とした。
高専生に対する未来のガリレオ育成活動:[食連星の観測と光度曲線解析] 測光データを取得し、主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデル等を考慮することでスケールを導入し、Python上のツールに進化したWDコードを組み込むPHOEBE2を用いる解析により物理量の絶対値導出を探りたい。また、撮影機材の整備により観測を進めたい。[天体観測室の改良(全天モニタ)] 夜間撮影の感度向上のため、赤外線カットフィルターが付いていないカメラを使用しているので、昼間は赤み掛かって見える。現在は24時間自動露出であるので、昼間は自動露出、夜間は10秒露出となるよう改良する。[科学教育(加速器)] 空気漏れの対策により、真空度10^{-3}Pa以上を達成し、フィラメントから放出された熱電子をテスラコイルで加速し、ガラス壁面に衝突させる際の蛍光あるいは霧箱により電子ビームの観測を目指したい。地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:小中学生対象の公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、第1回7/17(水)「夏休み直前スペシャル 手作り望遠鏡で月を見よう」、第2回11/7(木)「天体望遠鏡で木星と土星を見よう」を実施する。「経年変化による不具合から限界を迎えている自動導入経緯台の代替機整備」の整備を実現し、天体観測会等で活用する。第2回では、ICTを活用したスマート望遠鏡を利用する撮影体験による深い学びも目的としている。
卓上静電型加速器製作に時間を取られていることにより、「経年変化による不具合から限界を迎えている自動導入経緯台の代替機整備」及び撮影機材の手配ができていないことが理由である。また、日本物理学会の春季大会などは完全オンラインの方針となっている。円安ではあるが適切な代替機及び撮影機材、バージョンアップされたソフトウェア、消耗品などを予定しており、繰越分を有効活用したい。
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日本加速器学会誌「加速器」
巻: Vol.20, No.4 ページ: 308-314
津山工業高等専門学校紀要
巻: 65 ページ: 1-6