研究課題/領域番号 |
23K02834
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
浅岡 章一 江戸川大学, 社会学部, 教授 (80386656)
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研究分担者 |
西村 律子 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (10757727)
平島 太郎 愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (50803110)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 睡眠不足 / 集団パフォーマンス / 睡眠科学 / 実験社会心理学 / オンライン認知課題 |
研究実績の概要 |
睡眠不足は心身健康を阻害するだけでなく,幅広い認知的パフォーマンスの低下も引きおこす。これらの睡眠不足による問題は,職場においては作業成績低下や欠勤の増加,事故リスク上昇等を引き起こし経済的損失にもつながる。実際の職場では従業員同士による共同作業も多く,他者との間で適切なコミュニケーションをとりながら,集団としてパフォーマンスを発揮する事がしばしば求められるが,これまでの睡眠研究では一人で取り組む認知課題の成績を従属変数としたものが殆どである。そこで本研究課題では,集団パフォーマンスに与える睡眠不足の影響を検討する事を目的として研究を進めている。 本研究課題では,睡眠習慣の個人差に着目した実験と,実験的な断眠(徹夜)を用いた実験を行う事を予定している。2023年度には,睡眠習慣の個人差が集団での意思決定に与える影響に関して,オンライン実験を用いて検討するための課題の準備およびオンライン実験環境の整備を行った。課題の内容および実験の詳細を決定した後に研究倫理審査の承認も得ており,実施に向けて準備が進んでいる。なお,学会でのオンラインでの認知課題実施に関するワークショップにおいて,上記オンライン実験の計画の内容も含めて話題提供を行い,オンラインでの課題実施に関する知見の提供および共有も積極的に行っている。また,2023年度には,2024年度の夏期に実施予定としている断眠実験の準備も進め,用いる課題の選定や手続きの詳細についても検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
充分な数の参加者を確保するために,当初実験室内で行う事を予定していた実験をオンライン会議システムとオンラインでの認知課題実施用サーバーサービス(Pavlovia)を用いて実施する形へと切り替えた。その準備と動作の検証に時間を要した。これにより研究課題の進捗全体に多少の遅れは生じたもの,この変更により対象とできる参加者の大幅な増大が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には,まず睡眠習慣の個人差が集団での意思決定に与える影響を検討するオンライン実験をすすめる。それと並行して,夏期には断眠実験を実施する予定としている。最終年度となる2025年度には,それらの実験で得られたデータを基に学会発表および論文執筆を進める予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加者数確保を目的として,実験実施方法を一部変更したために,参加者の個人差に着目した実験研究の実施が遅れている。そのため,その参加者謝金および実験補助者謝金としていた予算分が次年度繰り越しとなった。2024年度にデータ収集が行われる予定であり,その分の予算は当初の目的通りに使用される予定となっている。
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