研究課題/領域番号 |
23K02837
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
尾崎 由佳 東洋大学, 社会学部, 教授 (50459434)
|
研究分担者 |
雨宮 有里 東洋大学, 現代社会総合研究所, 客員研究員 (00625501)
沓澤 岳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (20909551)
竹橋 洋毅 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70583871)
高 史明 東洋大学, 社会学部, 准教授 (90594276)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | セルフコントロール |
研究実績の概要 |
本研究のモデルでは,失敗に対し接近的なコーピング方略を使用することが行動改善をもたらすことを想定している。すなわち,失敗と向き合い(注意制御),後悔を受け止め(情動的反応),自らのふるまいを反省する(認知的対処)ことで,行動改善が促されると予測する。この予測について検証するため,国内に居住する成人289名を対象として日誌法によるデータ収集を行った。 具体的には,6日間にわたり1日1回(午後9:00)のシグナルを調査回答者のスマートフォンに送信し,その日の失敗経験についての報告とふりかえりを求めた。このとき,半数の回答者には「今日1日の自分のふるまいを思い返してみましょう。なにか後悔を感じること・心残りに思うことを1つ挙げてください。」,残り半数の回答者には「今日1日の自分のふるまいを思い返してみましょう。なにか満足を感じること・よかったと思うことを1つ挙げてください。」と指示し,そのふるまいの内容について自由記述を求めるとともに,そのふるまいについての認識や,翌日以降の行動改善に向けた実行意図などを尋ねた。 また,ふりかえり期間(6日間)の前後に,失敗経験に対する認識等にどのような変化が生じるかを検討するため,事前/事後調査を行った。具体的には,失敗に対する接近的―回避的態度,主観的幸福感,特性セルフコントロール等について自己評定を求めた。 上記の調査データの分析結果については,2024年度内の学会発表において公表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書における<研究遂行の年次計画>において,【1年目】に計画していた内容として予定していた内容どおりに実行できている。したがって,おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画書における<研究遂行の年次計画>において,【2年目】に計画していた内容を実行する。 具体的には,下記のとおりである。 前年度の成果を踏まえ,失敗経験から行動変化が生じるまでの心理過程においてコーピング方略がもたらす調整効果について調べる。回避的方略を使うことが行動改善を阻害する一方で,接近的方略を使う人においてはセルフコントロールの失敗が漸減するという時系列的パターンが示されることを予測し,経験サンプリング調査によって検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画時に想定していたよりも調査委託費が安価で済んだため,次年度使用額が発生した。当該年度の予算とあわせて,より充実した調査を行うために使用する。
|