• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

日本の自殺の基層部分の検討ー批判自殺学/文化心理学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23K02842
研究機関立命館大学

研究代表者

川野 健治  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20288046)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード再現構造分析 / ストレススキーマ
研究実績の概要

題材として忠臣蔵を選び、再現構造分析に着手した。これまで扱ってきた題材と比べて複数の場面で死や自死が描かれており、分析法について再検討が必要となった。そこでまず基本となる再現構造分析について整理し、論文にまとめた。
次にあらためて、分析に着手したが、恥と鬱憤といったストレススキーマに類似した構造が見出され、その背景に社会規範や大義が示されており、正当化と栄光化の創意が多くみられた。一方、これまでの題材に含まれていた神聖化と女性性がほとんどみられない。日本における自殺への態度がどのような要因で分散し、相互にどのように影響を与えているのかを評価する必要があると考えられた。2024年度の学会発表にむけて準備を進めている。ただし、これらが日本文化固有の概念であることを明確にするために、比較対照が必要であると判断された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

再現構造分析については概ね順調に進んでおり、方法論を一度まとめたことで今後の発信がしやすい状況である。今後はデータに基づく発信をしていく。他方で、国内の対策事例の収集と機能評価を予定していたがこちらは遅れている。

今後の研究の推進方策

再現構造分析については、分析を終え次第、投稿や学会発表をしていく。ただし、文化固有であることを明確にするために、比較対照が必要であることから、日本文化をある程程度反映している地域(ハワイもしくは台湾など)での死や健康観、さらに自殺への認知枠組みを調査する予定である。
国内の対策事例の収集と機能評価は早急に進める。
故人の日記などの間テクスト分析を予定していたが、上記の分析を踏まえる必要があることから、次年度以降の課題になるかもしれない。

次年度使用額が生じた理由

予定していた対策の事例収集と評価の研究が遅れたために、人件費が使用されなかったこと、および国外学会への参加を見送って、国内での国際会議に参加したため、交通費が抑制された。
次年度は、学外研究の機会を利用して、必要性が見出された比較研究のための打ち合わせや学会参加、また、遅れている対策事例の収集研究に取り組むことで、有効に使用していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 再現構造分析の提案 -自殺に向かいあう文化と心を考えるために2024

    • 著者名/発表者名
      川野健治
    • 雑誌名

      地域情報研究

      巻: 13 ページ: 113-119

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi