研究課題/領域番号 |
23K02844
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
上野 将敬 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (30737432)
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研究分担者 |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 教授 (30345798)
加藤 邦人 岐阜大学, 工学部, 教授 (70283281)
山田 一憲 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (80506999)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ニホンザル / 顔 / 血縁関係 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
血縁個体は遺伝子の一部を確率的に共有するため、血縁関係の把握は、社会性の進化を探るためには欠かすことができない。ヒトの社会性の進化的基盤を解明するために、ニホンザルのようにヒトと進化的に近縁な霊長類の研究が有用となる。集団の血縁関係の情報を新規に収集するためには膨大なコストを伴うため、客観的で妥当性が高く、かつ簡便な血縁推定の方法が求められている。本研究では、霊長類集団における血縁推定の手段として顔の類似度に注目し、人工知能(機械学習)の1つである深層学習 (ディープラーニング) とヒトによる顔の類似度評価の両方を用いて、顔画像の類似度によって野生ニホンザル集団の血縁関係を推定することができるかを明らかにすることを目的としている。 2023年度はニホンザルの顔画像を収集し、メトリックラーニングの技術を用いてニホンザルの個体間の類似度を求めた。そして、母系血縁度との関連を検討したところ、母系血縁度が高い個体間ほど、顔の類似度が高いことが示された。さらに、顔の類似度には個体間の年齢差が寄与していることが示唆された。 また、父系血縁度を評価するために、岡山県真庭市に生息している勝山ニホンザル集団を対象に、集団の一部の個体の糞を収集した。さらにそれらの糞については順次DNAの解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、ニホンザルの顔画像の収集、ニホンザルの糞の収集とDNA解析、深層学習による類似度評価を行うことを計画していた。これまでに収集した顔画像を用いて、深層学習による十分な識別とそれにともなる類似度評価を行うことができた。また、糞の収集と解析も順調に行っている。ただし、DNAの抽出がうまくいっていない個体もいるため、今後も引き続き糞の収集とDNA解析を行う必要はある。 以上のことから、本研究計画は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今度は、引き続きニホンザルの糞の収集とDNA解析を重点的に行う。そして、そこで得られたDNA情報を基に、父系血縁関係の評価を行う。その後、多様な母系血縁度と父系血縁度を人間がどの程度の精度で推定できるのかを評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、DNA解析を行う予定であったが、解析を依頼する業者の都合により、年度内の実行が難しかったために、2024年度以降に解析を行うこととした。
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