研究課題/領域番号 |
23K02919
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
城間 綾乃 琉球大学, 病院, 特命一般職員 (50751567)
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研究分担者 |
高江洲 義和 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90421015)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 双極性障害 / 認知機能 / 概日リズム / 睡眠・覚醒リズム障害 / 気分障害 |
研究実績の概要 |
双極性障害は、気分症状の安定している寛解期においても認知機能障害及び概日リズム障害を認めており、患者の社会機能や臨床経過に大きな影響を及ぼす。近年双極性障害における機能回復を目的とした取り組みがなされているが、現段階において双極性障害の長期的な認知機能の低下や社会機能の低下に対して有効性のある治療法に統一した見解は得られていない。本研究では、双極性障害の症状寛解期に残存する認知機能障害及び概日リズム障害に着目し、認知機能障害と概日リズム障害の複合的相互関係が社会機能に与える影響を検討する。さらに、双極性障害の認知機能障害と概日リズム障害に焦点を当てた機能的リカバリーを目標とする新たな機能改善プログラムを開発し、その効果を検証する。 本年度研究として、寛解期の双極性障害および健常者を対象に横断面研究を実施し、MATRICS-Consensus Cognitive Battery(MCCB)による認知機能評価、アクチグラフと深部体温測定による概日リズム評価、評価尺度による抑うつ症状(Hamilton Depression Scale:HAMD)、躁症状(Young Mania Rating Scale:YMRS)、社会機能(WHO disability assessment schedule: WHO-DAS)、QOL(WHO Quality of life-26)、不眠重症度(Insomnia Severity Index:ISI)、主観的な神経認知障害意識(Cognitive complains in bipolardisorder rating assessment:COBRA)を評価し、それらの相互関係についての検討を行った。現在、約18症例のデータ収集を行っており、次年度更に登録症例数を増やしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は寛解期双極性障害患者および健常群を対象に、認知機能障害、概日リズム障害、気分症状、社会機能、QOLの関連について横断面研究を実施した。現在までの症例登録数は18名であり、当初は年間50人程度の症例登録を予定していたため、進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題推進のために、寛解期双極性障害患者および健常群の症例登録数を速やかに拡大し、次年度中に目標症例数に近づける予定である。目標症例到達後は統計解析を行い研究成果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗がやや遅れたため次年度使用額が生じた。次年度研究で本年度実施予定であった研究を実施し適切に研究費を使用していく予定である。
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