研究課題/領域番号 |
23K02962
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
内田 香奈子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (70580835)
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研究分担者 |
山崎 勝之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特命教授 (50191250)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 教育プログラム開発 / 潜在的感情 / 感情教育 |
研究実績の概要 |
感情教育プログラム「感情の理解と対処の育成」は小学3年生から中学生までを対象に開発され,一定の教育効果をあげている。その際,このプログラムは非意識にある感情機能を考慮した教育であることから,意識下にある潜在的感情(Implicit Affect: IA)の動きを捉えた検証を行い,教育効果の検討に際しては非意識にある感情の同定が重要となる可能性が指摘されていた。ただし,この教育の実施や結果はいずれも小学3年生以上に限られていた。「学校での問題を未然に防ぐ重要性」を鑑みても,より低年齢で実施できるプログラムの開発と教育効果の検証が望まれていた。そこで,小学校低学年にあたる1, 2年生で実施可能な感情教育プログラムの開発(研究1),ならびにIA測定ツールの予備的調査(研究2)を行った後,感情教育プログラムの実施と改訂(研究3)、評価ツールの標準化(研究4)、ならびに教育効果の検証(研究5)やモデルプランの提唱(研究6)へと進める方向で研究計画を立案し、検討を進めた。 今年度は研究1と2を実施する方向で進めた。研究1の教育プログラム開発については、エビデンスに基づく教育目標やプログラム内容の立案、ならびに具体的な教材開発などについて進めることができた。研究2のIA測定ツールについては、素案を立てるのみにとどまった。なお、現場での定着を目指した心理教育のあり方について、日本心理学会のシンポジウムにおいて話題提供を行い、研究者や現場の先生方とのこの種のプログラムのあり方について意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1の教育プログラム開発については、おおよその開発を行うことができたが、研究2のIA測定ツールについては、素案を立てるのみにとどまり、予備的調査まで進めることができなかった。よって(3)やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究2の予備的研究については、研究4の標準化調査とできる限りあわせる形で同時に進め、研究を推進できるようにつとめたい。また、研究3のプログラム実施についても、あわせて実施できるよう、準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
学校における予備的な調査の実施まで至らなかったため、旅費を中心に、予定通り執行できなかった。次年度は学校での実施を予定しているため、物品費に加え、旅費としても使用する予定である。また、資料整理やデータ入力作業を依頼するため、謝金費としても使用する予定である。
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