研究課題/領域番号 |
23K02974
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
清水 亜紀子 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (30509352)
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研究分担者 |
倉西 宏 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (40624284)
中野 祐子 帝塚山学院大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (90441097)
野口 寿一 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (90710939)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 悲嘆夢 / 遺族ケア / 語り |
研究実績の概要 |
今年度は,遺族を対象に,オンラインによる個別面接調査を実施した。そこでは,8名の協力者から計14個の悲嘆夢を得る(出現率87.5%)とともに,悲嘆夢をめぐる語りを聴くことができた。その後,研究会で,個々の調査事例について,細やかに事例検討を行い,夢見て手にとっての悲嘆夢の意味について深く議論することができた。その結果,山本・岡田(2013)をはじめとした先行研究における悲嘆夢の分類においては,「夢主と故人との関係性」が軸に置かれることが多かったが,夢主自身の心理的課題など,悲嘆夢は多くのものを内包していることが明らかとなった。これらを踏まえて,Jung,C.G.の言う客体水準に相当するだろう「夢主と故人との関係性」だけでなく,主体水準からも悲嘆夢を捉えていくことで,個性化の観点からも悲嘆夢を捉え,遺族ケアに活かしていく視点が重要であることが示唆された。また,1回限りの個別面接調査を実施することで,悲嘆夢の様相をある程度掴むことができた,悲嘆夢の数が限られているため,より多くの悲嘆夢を収集することによって,悲嘆夢の全体像を掴んでいく必要性があることが確認された。さらに,1回限りの個別面接調査では,悲嘆夢を語る意義については十分に議論できないため,今後継続的な個別面接調査を実施し,聴き手との関係が,悲嘆夢にどのような影響を与えるのか,そして,悲嘆夢をどのように活用することが遺族ケアにつながるのかについて検討していく必要性を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の個別面接調査とその調査事例の検討を通して,故人にとって悲嘆夢がどのような働きをするかについての理解が深まり,2025年度の大規模Web調査と継続的な個別面接調査に向けたイメージが明確になりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,2023年度の研究データを解析し,それをもとに,研究成果の公表を進めていく。具体的には,日本心理臨床学会第43大会で,会員企画シンポジウム『悲嘆夢を語ることの臨床的意義と可能性について-悲嘆夢の活用を通して,一人ひとりの心に寄り添う遺族ケアを目指して-』を開催し,日本箱庭療法学会第37大会で,研究発表『悲嘆夢を巡る語り-遺族ケアへの活用を視野に入れた調査事例から-』を行う予定である。また,遺族を対象とした,大規模Web調査と継続的な個別面接調査の準備を進めていき,2025年度の実施を目指す。加えて,研究データをもとに,遺族ケアにおける悲嘆夢の活用について提言をしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は,遺族を対象に,大規模Web調査と継続的な個別面接調査を実施する予定である。そのため,調査協力者への謝金の支払いが必要となる。また,上記の調査を円滑に実施するために,事務及び調査窓口担当のアルバイト雇用に対する支払いも必要となる。
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