研究課題/領域番号 |
23K02995
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
吉野 真紀 日本福祉大学, 教育・心理学部, 教授 (60548402)
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研究分担者 |
鷲見 聡 金城学院大学, 看護学部, 教授 (20305527)
木下 真也 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70534098)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 性別違和感 / 性別違和感尺度 / ジェンダー / 大学生 / スクリーニング / 最適カットオフ値 |
研究実績の概要 |
「性別違和感尺度(以下、GDS)」(浜田ら、2016)のデータ収集を行い、大学生年齢における分布とカットオフ値について分析を行い、成果を発表した。一般群は、目標数の500名に対して、一般大学生457名、一般高校生460名の計917名のデータを得た。臨床群は、目標数50名に対して、大学生年齢12名、高校生年齢20名、中学生年齢13名の計45名のデータを得た。2023年度は、大学生年齢のデータ(一般群457名、臨床群12名)について分析を行い、第64回日本児童青年精神医学会総会にて発表した。また、超短縮版(3問版)の提案と活用に焦点を当て、愛知児童青年精神医学会第15回学術総会にて発表した。GDSの平均得点は、臨床群AMABが39.4(SD=2.5)、AFABが41.7(SD=3.9)、全体が40.8(SD=3.4)で、全員が36点以上となった。一般群では、男子学生が15.7(SD=4.9)、女子学生が17.8(SD=6.0)で、全体が17.0(SD=5.7)であった。α係数は0.93、ROC曲線のAUC値は0.995(95%信頼区間0.990~1.00)といずれも良好で、ROC曲線と尤度比の検討より、最適カットオフ値は36点と考えられた。なお、8項目からなる短縮版についても同様の検討を行ったところ、最適カットオフ値は23点であった。36点以上の一般男子学生は0.55%、女子学生2.53%で、スクリーニング目的の使用であれば、臨床群の全員が「とてもよくあてはまる」と回答した項目1,4,11の3問でも有用であると考えられた。 また、本研究に係る国際交流企画として、フランスより研究者を招いて、交流会および講演会を実施し、日本の性的マイノリティの方々の健康や必要な支援などについて見識を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般群(大学生および高校生)および臨床群ともに、目標数にほぼ達するデータを得ることができた。それらをもとにカットオフ値を算出することができ、大学生年齢における分析と考察を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高校生年齢のデータの解析を進める。2024年度は、高校生の性別違和感の実態とカットオフ値の検討について、第65回日本児童青年精神医学会総会にて発表予定である。最終的には、思春期青年期の性別違和感について、これまでの発表を踏まえて論文化することを目標とする。また、超短縮版の活用と実施について、可能な限り実践する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由の1つめは、2023年度にジェンダー・セクシュアリティ研究に関連する日仏研究者交流企画を実施し、当初の予定よりも人件費に多くを要したため、前倒し請求を行ったことである。2つめは2024年度に開催される国際ロールシャッハ及び投映法学会での発表に係る費用が当初予定よりも高価となる見込みであったため、2023年度購入予定であったノートパソコンの購入を次年度に見合わせたためである。2024年度は、国際学会に係る経費とノートパソコンの購入に使用する。
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備考 |
・エクスプロラシオン・ジャポン2023によりフランスからジャン・バティスト・マルシャン准教授(ポワティエ大学)、フランソワ・デビッド・カンプス教授(リヨン大学)を招き、日本福祉大学心理臨床研究センターおよび大阪医科薬科大学精神神経医学教室共催にてジェンダー・セクシュアリティ講演会を開催し日仏の性別違和に関するロールシャッハ研究交流を行った。
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