研究課題/領域番号 |
23K03027
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
増岡 彰 筑波大学, 数理物質系, 教授 (50229366)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ピカール・ヴェッシオ理論 / スーパー対称性 / スーパー・ホップ代数 / ホップ・ガロア理論 / スーパー群スキーム |
研究実績の概要 |
スーパー・シンメトリック微分ガロア理論の基礎理論を構築し、その成果を単著 "Supersymmetric Picard-Vessiot theory, I: basic theory" として arXiv に公表した(arXiv: 2307.0197). その概要を述べる.竹内光弘(1989)は,ピカール・ヴェッシオ理論へのホップ代数アプローチを考案した.そこで与えられたピカール・ヴェッシオ拡大の新しい定義は,ホップ・ガロア拡大を援用することにより,当該拡大をその自己同型群スキームに,従来より直接的に結びつけるものであった.研究代表者は,この竹内のアイデアに沿って,ピカール・ヴェッシオ理論をスーパー対称性(SUSY)のコンテクストに一般化した.そこではSUSY体の概念が定義され,従来のPV理論における微分体がD-SUSY体に取って代られている.ここに,Dは SUSY体に作用する余可換なスーパー・ホップ代数である.当該基礎理論においては,ホップ・ガロア理論の役目がますます重要となっている. なお、この研究成果には、先行する、研究代表者と大江拓哉、高橋祐太の共同研究が有効に用いられている.それはtorsorをやはりスーパー対称性(SUSY)のコンテクストにおいて考察するもので,3人の共著論文 "Torsors in super-symmetry" にまとめられ,国際学術誌に投稿中である.これに関連するトピックとして,スーパー形式群Gのスーパー形式部分群Hによる商G/Hの研究を行った.高橋祐太との共同研究で,共著論文 "Quotients in supersymmetry: formal supergroup case" にまとめた.これは Communications in Algebra に掲載が決まっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
期待した通り,スーパー・シンメトリック微分ガロア理論の基礎理論が構築できた.応用への準備が整うと同時に,この基礎理論の応用とは別に興味深い研究テーマが得られた.
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今後の研究の推進方策 |
構築したスーパー・シンメトリック微分ガロア理論の基礎理論の応用を試みる.その1つに,SUSY線形微分方程式の可解性がある.これには,研究代表者と共同研究者によるスーパー群スキームの可解性に関する研究成果が役立つと期待される.基礎理論の研究の過程で,正標数における可換スーパー・ホップ代数のホモロジー代数的性質に関する問題に行き当たった.これについても研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響が続く中、健康上の問題を抱えている事情から、予定していた出張等を取りやめたため。次年度、論文のオープンアクセス掲載料等に使用する計画である。
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