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2023 年度 実施状況報告書

ヤコビ形式を用いた多変数保型形式の明示的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K03039
研究機関東京理科大学

研究代表者

青木 宏樹  東京理科大学, 創域理工学部数理科学科, 教授 (10333189)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード保型形式 / ヤコビ形式 / 無限積 / 整数論 / モジュラー群
研究実績の概要

今年度は本研究課題の初年度である。もっとも、今年度は、本研究課題の土台となる研究課題として令和元年度に採択された「ヤコビ形式を用いた多変数保型形式の明示的研究」(基盤研究(C))がコロナ禍による延長を経て最終年度となったため、研究内容のかなりの部分が両者にまたがっている。
さて、本研究課題の核心をなす問い「保型形式をより明示的に調べることにより、その空間を明確に知りたい!」について、研究計画調書では、次の3つのテーマを提示していた。(1)ヤコビ形式の詳細な研究(2)Borcherds型の無限積(3)形式的なフーリエ・ヤコビ展開の収束性
この1年間で最も研究が進んだ方面は、(2)に関連するものである。幸いにも早い時期に共同して研究できる相手が見つかり、その後の議論で、ヤコビ形式の無限積による構成とアフィンリー環との関係がかなりはきりと見えてきた。残念ながら年度内に論文としてまとめるには至らなかったが、この報告を書いている段階で論文の原稿がほぼ完成しており、その先にある応用についても研究を進めている状況である。また、(3)については、以前からの共同研究者と引き続き日本およびアメリカで研究を続けており、新しく論文を書くには至らなかったが、一定の進展があった。また、(1)についても研究を続けている。
また、本研究課題に関連して、今年度は2件の国際研究集会を企画運営した。そのうちの1件は、京都大学数理解析研究所にて毎年行われている保型形式分野の大規模な国際研究集会であり、多くの研究者と交流する機会を持てたため、当方の研究成果の発信や研究情報の交換に大いに役立った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で述べたとおり、研究計画調書で想定していた研究テーマのそれぞれについて進展があった。本研究課題の決定的な解決にはまだ遠いが、期間4年のなかでの1年経過時点としては、おおむね順調であると考えている。

今後の研究の推進方策

現在までの進捗状況はおおむね順調であると判断しており、当面はこのペースで研究を続けていきたい。特に、コロナ禍が一段落した現在、他の研究者との交流による共同研究や情報交換がよりいっそう活発に行えるようになることを、大いに期待している。一方で、所属大学では学部学科の再編などがあり、校務の増大によるエフォートの低下はかなりの心配要因である。学内の人員配置を考えればこれらの校務は避けられない部分がほとんどであり、WLBと心身の健康の維持に注意しつつ、研究活動との両立を目指したい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [国際共同研究] フォーダム大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      フォーダム大学
  • [国際共同研究] マンハイム大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      マンハイム大学
  • [国際共同研究] 同済大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      同済大学
  • [国際共同研究] ウィーン大学(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      ウィーン大学
  • [学会発表] Generalization of Jacobi Triple Product Identity and Root Systems2024

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Aoki
    • 学会等名
      Commutative Algebra & Differential Equations
    • 国際学会
  • [学会発表] Infinite products and infinite sums on modular forms2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Aoki
    • 学会等名
      Workshop : Algebraicity Problems in Geometry, Analysis, and Number Theory
    • 国際学会
  • [学会発表] 「無限積=無限和」型の公式と保型形式(第2話)2023

    • 著者名/発表者名
      青木宏樹
    • 学会等名
      2023大分宮崎整数論研究集会
  • [備考] 東京理科大学研究者情報データベース

    • URL

      https://www.tus.ac.jp/ridai/doc/ji/RIJIA01.php

  • [学会・シンポジウム開催] RIMS共同研究(公開型)「保型形式の研究」2024

  • [学会・シンポジウム開催] 2024 International workshop on algebra at TUS-Noda2024

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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