研究実績の概要 |
研究実績の概要は以下である. 【1】 アフィンワイル群対称性D4型加法差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張を与え, 基本データ(方程式, ラックス・ペア, 一般超幾何関数による特殊解)を得た. また, その多変数的拡張をq差分ガルニエ系(アフィンワイル群対称性D5型q差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張) からの簡約としても導出した. その多変数的拡張からE7型,E6型, D4型加法差分パンルヴェ方程式への簡約を与えた. 簡約から得られたE7型加法差分パンルヴェ方程式に対して, 従来の標準的な方向とは異なる変形方向について, 因子化された方程式として与えた. さらに, Ormerod-Rainsによる加法差分ガルニエ系との関係を明らかした(論文準備中). 【2】 アフィンワイル群対称性E7型q差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張を与え, 基本データ(方程式, ラックス・ペア, 一般超幾何関数による特殊解)を得た. q差分ガルニエ系との関係を明らかにした. また, E8型, E7型q差分パンルヴェ方程式への簡約を与えた. Ormerod-Rainsによる, ある対称性をもつq差分ガルニエ系との関係を明らかした(論文準備中).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況がおおむね順調に進展している理由は以下である. 【1】 アフィンワイル群対称性E6, E7型加法差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張について新しい発見が進展中である. 【2】 アフィンワイル群対称性E8型, E6型q差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張や, 楕円差分ガルニエ系とよばれる楕円差分パンルヴェ方程式の多変数的拡張とそれらとの関係について新しい発見が進展中である.
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今後の研究の推進方策 |
以下の順で, 今後の本研究を推進する. 【1】 加法差分の場合において, アフィンワイル群対称性が高いクラス(E8, E7, E6, D4型)の多変数的拡張を構成し, それらの退化図式を完成させたい. 【2】 q差分の場合において, アフィンワイル群対称性が高いクラス(E8, E7, E6, D5型)の多変数的拡張を構成し, それらの退化図式を完成させたい.
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