研究課題/領域番号 |
23K03209
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
寺本 敬 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (40382543)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 数理モデリング / 数理解析 / 数値解析 |
研究実績の概要 |
空間3次元球状ナノ微粒子について、媒体との境界条件に接触角をパラメータとして考慮した相分離モデルを提案しました。エンガルフメント構造の2つの型の微粒子解の存在と安定性の問題を FEM による数値解析、特異極限における数理解析を組み合わせて明らかにしました。その結果を国際会議 ICIAM 2023 のミニシンポジウム「Multiscale Pattern Formation」において発表し、欧文論文として投稿準備中です。観察実験、数値シミュレーション結果と比較しながら、三位一体の体制で進める双方向的研究に対する社会からの関心も高まっています。ナノ微粒子内相分離の数理モデルの空間3次元数値シミュレーションのノウハウを蓄積しながら、研究協力者らとのキュービック状のナノ微粒子についての数値シミュレーションと観察実験との夜共同研究論文が公刊され、掲載号の表紙に採用されました (ACS Omega Vol.9 No. 15 号表紙)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属機関の移動もあって、研究環境、計算機設備の再構築が遅れています。新しい研究室については、建物の工期が社会情勢の影響もあって、半年程度先延ばしとなる見込みです。しかしながら、協力者らの助けもあって、これまでの共同研究の成果発表を進めることができました。準備中の論文をまとめながら、後半の課題に向けて、大規模な数値計算を進めるための研究環境の整備を進めています。
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今後の研究の推進方策 |
空間3次元球状ナノ微粒子内のエンガルフメント構造について、Cahn-Hilliard 型のモデル方程式について解析を進めてきましたが、保存則をもつ勾配流方程式の視点から問題の再検討を試みます。後半の課題については、数値的に発見した動的構造について、系統的なパラメータ探索を実行するための計算機設備、および研究環境の整備を引き続き進めます。現在準備中の最初の論文を完成させて、さらに新たな結果について、国内外の学会等で成果発表を行います。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関の移動により、必要な電源、空調のある研究室の整備が遅れています。新しい研究室については、建物の工期が半年程度先延ばしとなる見込みとなり、当初予定していた初年度での計算機を購入を見合わせました。さらに社会情勢による価格高騰、間接経費譲渡による減額分も大きく影響しており、複数年度分、または他の外部資金と合算することで、必要なスペックを持つ計算機の購入予算を確保する計画です。
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