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2024 年度 実施状況報告書

球面上の閉曲線から構成されるワイル方程式に基づく量子ウォークの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K03220
研究機関日本大学

研究代表者

町田 拓也  日本大学, 生産工学部, 准教授 (20637144)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード量子ウォーク / 極限定理
研究実績の概要

令和6年度は、論文1本(単著)の出版と国内招待講演2件の研究発表を行った。論文は量子情報系の国際雑誌Quantum Information Processingから出版された(Takuya Machida, Phase transition of a continuous-time quantum walk on the half line, Quantum Information Processing, Vol.23, 243 (2024))。半直線上で定義される連続時間量子ウォークを、空間的に2周期で変化するハミルトニアンで時間発展させたときに、ハミルトニアンのパラメータ値によって、量子ウォーカーの空間分布(確率分布)に局在化・非局在化の相転移が生じることを明らかにした。ラプラス変換を用いて量子ウォークの確率分布に対する長時間極限定理を導出することで、相転移現象を発見することができた。国内招待講演では、令和6年6月6日に立命館大学理工学部数理科学科で開催された「Math-Fi seminar (Co-organized as a Quantum Walk Seminar)」において、『量子ウォークの長時間極限分布からわかる量子ウォークの奇妙な性質』という講演タイトルのもと、量子ウォークの研究分野でこれまでに得られている極限定理について自身の研究成果も含めて発表した。また、令和7年2月21日に北海道大学理学部数学科で開催された「数理科学セミナー」では、『半直線上の連続時間量子ウォークの相転移現象』という講演タイトルのもと、半直線上で定義される連続時間量子ウォークの極限定理について自身の研究成果を発表した。また、令和6年8月にカリフォルニア大学バークレー校の数学科を訪問して、F. Grunbaum Alberto教授と量子ウォークについて議論を行った。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

半直線上のある連続時間量子ウォークにおいて、量子ウォーカーが端点から出発する場合に対して、長時間極限定理を導出した。量子ウォークの確率振幅を時間発展させるために用いられるハミルトニアンは、2つのパラメータで定められる。量子ウォーカーの空間分布(確率分布)に対する長時間極限定理をラプラス変換によって導出することで、長時間後の確率分布に局在化・非局在化の相転移現象が生じることを証明した。研究成果は、長時間極限定理の妥当性を裏づける数値解析結果とともに論文にまとめて、量子情報を専門とする国際雑誌に投稿した。論文は受理され、令和6年6月に同雑誌から出版された。また、招待講演にて量子ウォークの専門家だけでなく、量子ウォークを専門としない数学者に対しても研究成果を発表した。国際的な研究活動として、計画していたカリフォルニア大学バークレー校を訪問して、数学科の教授に量子ウォークの研究進捗状況を報告して、研究を深化させるための議論を行った。研究はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続きワイル方程式に基づく量子ウォークの新しい性質を明らかにするために、理論と計算機を併用して、モデルの構築とその数理構造を研究していく。数学的な研究だけではなく、量子ウォークの背景にある、意味のある量子物理学のモデルも考慮してモデルを構築するために、物理学の文献も調査しつつ研究を進めていく。数値計算は、コンピューターのプログラミングあるいは数式ソフトウェアの利用により実行する。離散時間モデル、連続時間モデルの両方に対し、ワイルハミルトニアンから構成される作用素で時間発展が行われるような量子ウォークモデルを構築して、量子ウォーカーの確率分布に対する解析を進めていく予定である。数値計算により興味深い性質を発見できた場合、フーリエ解析やラプラス変換を用いて長時間極限定理を導出することを目標として、理論計算を行う。本研究を円滑に進めるためにアドバイスが必要な場合、量子ウォークや量子物理学の専門家と議論を行う。研究進捗状況や成果は、国内外の研究集会に参加して発表する。得られた結果は、論文にまとめて国際雑誌に投稿する。同時に、ホームページ上で周知するなどして発信する。

次年度使用額が生じた理由

物価高、円安の影響で、3月に予定していたカリフォルニア大学バークレー校の数学科への研究訪問をキャンセルしたため。次年度以降の研究出張に充てる。計算機の購入を行わなかったため。計算機の購入に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Phase transition of a continuous-time quantum walk on the half line2024

    • 著者名/発表者名
      Machida Takuya
    • 雑誌名

      Quantum Information Processing

      巻: 23 ページ: 243

    • DOI

      10.1007/s11128-024-04455-1

    • 査読あり
  • [学会発表] 半直線上の連続時間量子ウォークの相転移現象2025

    • 著者名/発表者名
      町田拓也
    • 学会等名
      数理科学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 量子ウォークの長時間極限分布からわかる量子ウォークの奇妙な性質2024

    • 著者名/発表者名
      町田拓也
    • 学会等名
      Math-Fi seminar (Co-organized as a Quantum Walk Seminar)
    • 招待講演
  • [備考] 日本大学 研究者情報システム

    • URL

      https://researcher-web.nihon-u.ac.jp/search/detail?systemId=ffe9edd7be32ec243c2ae2984eb6439a&lang=ja

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公開日: 2025-12-26  

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