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2023 年度 実施状況報告書

細胞内部の構造を含む細胞形状の数理モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K03345
研究機関日本大学

研究代表者

野瀬 真規子 (野々村真規子)  日本大学, 生産工学部, 教授 (20333320)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードフェーズフィールド法 / 細胞集団 / 細胞運動
研究実績の概要

細胞運動で重要となるアクチンフィラメントの重合などの小さなスケールでの現象と、形態形成のような複数の細胞が関与する現象、という2つの異なる時空間スケールの現象を結びつけて議論できる数理的ツールは、細胞生物学や医学研究において非常に有益であると考えている。本研究では、細胞内部の構造を含む数理モデルの構築を通じて、そのようなツールの開発の一助を担うことを目指している。
これまで考案してきたフェーズフィールド法の多細胞モデルは、細胞輪郭を表現するのに適しているという利点をもつ一方で、変形・運動する細胞内部の相対位置を記述するのには適していないという問題があった。そこで、内部の相対位置を決定する手法として、本年度は当初計画のいくつかの手法を実装した。数値計算を行った結果、内部構造まで考慮した数理モデリングの方向性を見出すことができた。
また、上記の数理的モデルの構築と並行して、実験画像の機械学習によって、細胞輪郭だけでなく核などの内部構造の位置情報も抽出する試みを行った。まだ改良の余地はあるものの、ある程度の精度で情報を取得できることが確認できている。実験画像を精査し、機械学習の精度も高めることで、数理モデルの検証に用いていく予定である。
今後の展望としては、さらなる実験画像の解析を進めると共に、未実装の手法の精度を実験データと併せて検討して、細胞挙動を説明するための適切な方法を見出していきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

最適な検証用実験データが手に入らなかったため、当初の予定を一部入れ替え、基本的な手法の実装とその関連研究を重点的に進めた。

今後の研究の推進方策

本年度はモデリングに必要となるいくつかの手法を実装し、それぞれの利点と欠点について理解を深めた。来年度はこれらの知見をもとに、細胞の内部構造を取り入れたモデリングを目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた計算機より、安くて高性能の計算機が出たため。差額は翌年の実験の消耗品として使用する。

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公開日: 2024-12-25  

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