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2023 年度 実施状況報告書

ドメインウォールフェルミオンに基づく量子異常の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K03387
研究機関大阪大学

研究代表者

大野木 哲也  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (70211802)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードDomain-wall fermion / Symmetric gapping / 一般相対論 / 保存量
研究実績の概要

我々は、青木慎也氏と山岡起也氏との共同研究で、一般相対性理論におけるアインシュタインの擬似 EMT、一般化Komar積分、ADM エネルギーを含むさまざまな物質のエネルギー運動量テンソルを用いた保存量間の関係を調べた。我々は、自由なmassive particleの系にポストニュートン 展開を用いてそれぞれの定義がどのような物理量に対応するかを調べた。その結果、一般化Komar積分は、空間境界での寄与がゼロではないため、PN 展開の自明でない最初の次数では保存されないこと、この次数でのアインシュタインの擬テンソルのエネルギーはニュートン重力理論での質量粒子の全エネルギーと一致し、かつポストニュートン展開すべての次数でADM エネルギーと同一であることがわかった。一方、我々の提唱する新たな保存量はすべての次数でmassive particle系の粒子数であることがわかった。
格子上のカイラルゲージ理論の構成法であるDomain-wall fermionのミラーフェルミオンのSymmetric Gapping についてgapping 相互作用に必要な条件を検討した。1) gapping 相互作用がない場合に存在する対称性のbulk anomalyがゼロ出ない場合、その対称性をgapping 相互作用が壊す必要がある。2) dynamical なゲージ場に対してinstanton saturation を満たすgapping 相互作用を導入する必要がある。この考え方を一般化対称性に拡張するため、大学院生の山岡氏、和田氏と共同でカイラルゲージ理論の't Hooft anomalyの研究を行った。自己複素共役な表現のフェルミオンにおけるSU(6)ゲージ理論の一般化対称性の't Hooft anomalyを調べ、それを再現する有効理論の構成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々の提唱する一般相対論における新たな保存量はすべての次数でmassive particle系の粒子数であることがわかったという発見は非自明でこれまでに知られている保存量と独立な定義を与える意味で重要である。

またドメインウォールフェルミオンからカイラルゲージ理論についての必要条件を明らかにでき、例えばWang-Wenの3-5-4-0模型はそれを満たしていることが確認できた。こ

今後の研究の推進方策

今後の計画として
一般相対性理論における新たな保存量を高密度天体に応用する。

また、Symmetric gappingの考え方を一般化対称性を含めたものに拡張するため、NfフレーバーQCD、自己複素共役表現のフェルミオンを持つSU(6)ゲージ理論に適用する予定である。

次年度使用額が生じた理由

海外の研究者との議論のため海外出張を予定していたが先方の都合により延期となったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Chiral theory as edge modes2023

    • 著者名/発表者名
      大野木哲也
    • 学会等名
      KEK Theory Workshop 2023
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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