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2023 年度 実施状況報告書

ニュートリノ振動を考慮した超新星爆発の基盤シミュレーターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K03400
研究機関国立天文台

研究代表者

滝脇 知也  国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 准教授 (50507837)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードニュートリノ
研究実績の概要

本研究では先進的なニュートリノ輸送を用いた数値シミュレーションを行う。その課題は大きく分けて二つあり、ひとつは(1)M1 closure法を用いたニュートリノ輻射輸送スキームを開発すること、もうひとつは(2)現象論的にニュートリノ振動の効果をとりいれることである。この二つの課題でどちらも顕著な進展がみられた。
(1)M1 closure法を用いたニュートリノ輻射輸送スキームに関しては、comoving frameとlab frameどちらにおいても開発が進んでいる。この手法で一番難しい部分はニュートリノ反応のソースタームを陰解法で解く部分だが、Just et al. 2018のような原理的な手法とSkinner et al. 2019のような簡易的な手法、どちらでも計算できるようにした。計算資源を節約したい時には簡易手法を用い、より精密なニュートリノスペクトラムを得たい時には詳細な手法を用いる。ただし、先行研究とニュートリノの平均エネルギーが合わない問題がありまだコード開発を続ける必要がある。
(2) IDSA法を用いたニュートリノ輻射輸送スキームを用いてさまざまなニュートリノ振動(例えばfast flavor conversionやsterile neutrino)に対して減少論的にその効果を取り入れるコードを開発した。こちらはすでにプロダクティブラン中であり、近く論文にまとめる。この研究は(1)のコード開発が終わり次第、似たような手法でより精密な結果が得られる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の研究はコード開発も含んでおり予定通り研究を進めるのは難しいが、それでも本科研費の期間中に研究課題を終えられるようなペースで開発が進んでいるため概ね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

今後もこのペースで研究、開発を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

本科研費を論文投稿料に充てる計画であったが、幸運なことに投稿料が免除されたため、その分の予算を使用しなかった。この予算は次の論文の投稿料としたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Neutrino-driven massive stellar explosions in 3D fostered by magnetic fields via turbulent alpha-effect2024

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, J., Takiwaki, T., & Kotake, K.
    • 雑誌名

      Monthly Notices of the Royal Astronomical Society

      巻: 528 ページ: L96

    • DOI

      10.1093/mnrasl/slad173

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] On the treatment of phenomenological turbulent effects in one-dimensional simulations of core-collapse supernovae2024

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, S., & Takiwaki, T.
    • 雑誌名

      Monthly Notices of the Royal Astronomical Society

      巻: 528 ページ: 1158

    • DOI

      10.1093/mnras/stad3997

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Spin-flavor precession of Dirac neutrinos in dense matter and its potential in core-collapse supernovae2023

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, H., Takiwaki, T., & Balantekin, A. B.
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 108 ページ: 103046

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.108.103046

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Multimessenger signals of heavy axionlike particles in core-collapse supernovae: Two-dimensional simulations2023

    • 著者名/発表者名
      Mori, K., Takiwaki, T., Kotake, K., & Horiuchi, S.
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 108 ページ: 63027

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.108.063027

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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