研究課題/領域番号 |
23K03490
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
岩坂 直人 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60211760)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | OFES2 / CMW / 年々変動 |
研究実績の概要 |
サブダクションの過程を含めて、北太平洋中央モード水(CMW)の形成の年々変動を調べるため、従来から使用していた観測に基づくデータセットであるMOAAGPVに加えて、数値海洋モデルOFES2の解析を行っている。OFES2でのCMWの分布と変動、関連するSST、力学高度偏差などの変動について、MOAAGPVとの比較による再現性の検討、確認を行った。SSTや力学高度偏差の変動については、2004年から2022年の変動については、MOAAGPVを使っての研究で明らかになった主成分解析第1モードと同様の空間構造、時間変動特性を持つことを確認し、さらに海面高度計観測が行われるようになった1993年まで解析対象期間を遡って延長しての検討でも、SST実測値との比較で、再現性が確認できた。これによりArgo観測以前の時期に遡ったCMW解析に目処が立った。一方、OFES2の海面から水深1000mまでの水塊分析では各水温帯でモードとなる水塊の塩分が観測値より若干高めになっていることが分かった。特に低温になるほどそのずれが大きくなっている。その要因は検討中であるが、これを踏まえて、OFES2でのCMW同定基準の策定を行った。またCMW変動との比較のため、北太平洋亜熱帯モード水についても水塊同定の基準策定を行っている。 CMWの変動とSST変動や大気変動の関係については、MOAAGPVに基づく解析の結果をまとめて、2023年日本海洋学会秋季大会で発表した。またこれらの内容については論文として投稿し、審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OFES2でのCMWの年々変動とサブダクションの過程の解析を行う目処が立ったので順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
MOAAGPVで明らかになったCMW変動の特性、すなわちPDOとしての変動がArgo以前に遡って確認できるかをOFES2で検討する。海面高度計観測が実用化された1993年以降を対象に解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初見積もった物品費が若干少なくなったため。差額は次年度へ繰り越し、物品費に充当する。
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